近年特殊清掃業等から、火災現場清掃に参入を果たしてくる業者が増加しています。火災現場復旧に失敗した場合、建物を壊す、他の家に被害が出るなど、より大きな被害が出ますので、業者は「安いから」というだけで選ばず、慎重に行うべきなのです。本記事では、ダイヤモンドプリンセス号の除染作業に従事した、特殊清掃のプロ集団である「特掃隊」の連載「HOW TO コラム」より一部を抜粋し、「無許可業者」を見分けるために知っておくべき、火災現場の復旧に必要な資格について解説します。

火災現場の家財を撤去するのに必要な資格

 

どんな資格が必要なのか…(画像はイメージです/PIXTA)
どんな資格が必要なのか…(画像はイメージです/PIXTA)

火災ゴミを撤去する際には、

 

【特別管理産業廃棄物収集運搬許可証】

【一般廃棄物収取運搬業許可証】

 

上記の資格が必要です。

出典:特掃隊HP「HOW TO コラム」内記事『無許可業者に騙されるな!火災現場の復旧に必要な資格!』より
[図表1]特別管理産業廃棄物収集運搬許可証 出典:特掃隊HP「HOW TO コラム」内記事『無許可業者に騙されるな!火災現場の復旧に必要な資格!』より

 

出典:特掃隊HP「HOW TO コラム」内記事『無許可業者に騙されるな!火災現場の復旧に必要な資格!』より
[図表2]一般廃棄物収取運搬業許可証 出典:特掃隊HP「HOW TO コラム」内記事『無許可業者に騙されるな!火災現場の復旧に必要な資格!』より

 

※産業廃棄物での処分ではありません。

 

しかし、上記二つの資格を持っている会社が火災現場復旧を対応するかといえばそれは別の話です。

 

・火災清掃会社が現場の火災ゴミを分別

・【特別管理産業廃棄物収集運搬許可証】【一般廃棄物収取運搬業許可証】を有した会社が処分

 

という流れになります。

 

問い合わせた業者から、依頼者にこのような説明がない場合や、罹災証明を求めない会社は、違法である可能性が非常に高いのです。

煤を取り除く火災清掃…高所作業の資格が必要なワケ

火災現場の煤除去作業には概ね2つの資格が必要になります。それは、【高所作業】【解体届出】です。

 

◆高所作業について

火災は煤の性質上高い場所に煤が付きます。

 

労働安全衛生規則第518条では、2m以上でロープ高所作業が必要と規定されており、通常家庭の天井高は2.2mです。そのため、高所作業に該当することが非常に多く【高所作業】が必要になります。

 

◆解体届出について

また、火災が発生しますと、ボヤ程度でも壁紙剥がしや、一部解体作業が絶対発生します。その為内装解体を行う為に【解体業】の届出が絶対必要になります。

 

業者よりこの説明がない業者や、一部解体で「300万円以下は無許可でできる」と謳う業者もおりますが、それは昔の話です、現在は解体業が必要になります。

 

解体業を建築法を知らずに行うと大きな建物被害、人的被害が発生する可能性が高まる危険な作業です。その為に国家資格者による技術管理者を設定し、会社もしっかりと責任が取れる経営基盤が求められます。ですから火災現場ではこのような解体業資格を有する会社に任せましょう。

 

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