フィンランドやオランダ、デンマークなどは、学校教育で子どもたちにテストをして順位などはつけない制度を取り入れています。能力別の学級編成なども行いません。能力別にクラスを分けることは、差別をつくり、何の効果もないと考えているのです。今回は株式会社コペル・代表取締役の大坪信之氏が、日本の学校教育が抱える問題点を解説します。

日本人は「学力中心の教育観」に縛られている

では、日本の学校教育の問題は何でしょう。

 

国民の多くが、学力中心の教育観に縛られていることこそが大きな問題です。教育に競争はいらないのです。世界を見ると、競争を廃止して、優れた学校教育の成果を上げている国々がたくさんあります。

 

時代が大きく変わってきているのです。世界の教育は、1995年を境に、知識を詰め込む教育を廃止して、自ら学ぶ子どもたちを育てる教育を目指すという方向に大きく変わってきています。子どもたちに「学び方の学び方」を教えましょう。

子育てで大切なのは「わがまま」に育てないこと

教育で一番大切なのは、自己中心性を取ること――つまり、わがままに育てないということです。徳育の基礎は耐える力、意志力、感謝する心を育てることです。早寝早起きをすることで、耐える力、意志力が育ちます。

 

子どもたちは善悪の区別と自制を教えないと、本来わがままなものです。そのわがままを抑え、自制する力は意志力です。この意志力は耐える力を育てることによって伸ばされます。

 

親は子どもの願うままに、子どもを育ててはなりません。それは姑息の愛(一時しのぎの愛)といいます。姑息の愛は、当座は慈愛に似ているけれど、そのうち子どもが気ままに育つようになります。

 

子育てで大切なのは、人間として生きる道を教え、徳に生きることを教えることです。 日本の古典的な教科書はすべて、子どもに忍耐を教えることの大切さを説いています。 教育の一番の目的は、子どもの自己中心性を取ること、相手のことを思いやる心を育てることにあるのです。

 

忍耐を覚えると、耐える意志力が育ちます。これに感謝する心を加えれば、子どもに教える徳育の基本が満たされます。感謝を教えるには、いつも親がすべてのことに「ありがとうございます」といって感謝する姿を見せましょう。子どもはそれによって自然に感謝することを学びます。

 

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大坪 信之

幻冬舎メディアコンサルティング

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