認知症母は廊下や部屋で便や尿もしてしまう
トイレまでたどり着けない場合、部屋がトイレとなる
要介護5まで自立歩行ができていた母は、歩けるけど、トイレの位置がわからなくなっていました。リハビリパンツ(紙オムツ)をはいていたので、間に合わないならそのまましてくれても良いものなのですが、ご丁寧に脱いで用を足すため、至る所がトイレとなります。
廊下や部屋に便や尿をしてしまうことがありましたが、都合が悪いので自分とは認めません。「あたしじゃないよ。犬だよ」という始末です。わが家には柴犬が4匹いるのですが、狂犬病の注射に行ったとき恐れのあまり失禁をしました。そのとき、助手さんが「あらあら」と言いながらペットシーツで吸い取っていたのです。これって、うちの母にも使えるよね、とピンときました。
尿を絨毯にしてしまうと拭き取りが困難ですが、早く対処すると割と多くをペットシーツで吸い取ることができるのです。廊下などはこれで吸い取り、そのまま捨てられて便利です。歩けてトイレまではたどり着ける親で、間に合わず失禁することが多いのなら、トイレの床に予め敷いておくのも一案です。動物病院の動作を真似たのですが、ペット用と決めつけず、代用して正解でした。
探偵になって汚染物を探し出す
大便も尿も、トイレの便器以外の場所や部屋の絨毯の上、廊下などに失禁したとしても、そのままにしていてくれればまだ良いのですが、洋服で拭いて隠すことがあるのです。まさしく洗濯済みの洋服がトイレットペーパー替わりなのです。臭いのするところを探しますが、なかなか見つかりません。臭い部屋で時間ばかりが過ぎていき、やっと見つけては洗濯の繰り返し。
この頃は、私自身、疲れがたまり、苛立ち、何もかも放り出したいほどつらかった時期です。仏壇のご先祖様には「お願いだから母を早く迎えに来てください」と毎日、念仏のように唱えていました。
この問題行動を少しでも事前に防ぐためには、タンスに鍵をつけておく、目につきやすい場所に捨てても良い古着や古タオルを置き、使用を誘導するのも一案です。そして、運良くその古着をトイレットペーパー替わりにしたのなら、潔く捨ててしまいましょう。洗濯の手間が省けます。
渋澤 和世
在宅介護エキスパート協会 代表
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