喉がゴロゴロしていたら摂食、嚥下障害を疑え
実行機能障害と食事の関係
認知症の症状で計画を立てて順序よく物事を行うことができなくなることを実行機能障害といいますが食事にも表れます。噛まずに次々と食べ物を口に運んだり、周囲に人がいるとついつい嬉しくてしゃべりながら食べてしまうこともあります。
これらが続くと、喉がゴロゴロしてきて、食欲不振、食べこぼし、口の中の溜め込み、むせや咳が多くなる、嗄声(させい)、夜間にむせ込む、食事に1時間以上かかってしまうなどの症状が見られることがあります。もし、このような症状が見られたら、摂食、嚥下障害を疑ってください。
あまりにも長く続くようであれば、内科を受診し、痰のきれをよくする薬の処方を相談してください。
入れ歯の洗浄は毎日行う
入れ歯はブラシで汚れを落とし洗浄剤で殺菌してください。誤嚥性肺炎は口の中の細菌が原因にもなります。指にティッシュを巻き、口の中の汚れを食後、就寝前など定期的に掃除してください。これだけでも誤嚥性肺炎のリスクは少なくなるはずです。
排せつは、出ないより出た方が良い
おむつ替えが負担なので尿や便が出ていないと、正直、楽だなと思うこともありました。ですが、尿が出ないと尿毒症、前立腺肥大、尿路結石など重大な病気が隠れていることがあります。便秘が続くとそれはそれで心配になり、出るとホッとします。
便秘のとき、摘便といって肛門に指を入れて掻き出す処置がありますが、この行為は医療行為なので施設では看護師が行います。ですが家では家族が対応することもあるかと思います。やはり、定期的に排せつがないと、心労やお世話もより大変になるのです。
便秘は、リンゴ、キャベツ、カボチャ、ヨーグルトなど食物繊維でも水溶性のものを意識して食べさせると良いといわれています。少し便が顔を出しているけれど、出きれないとき、大腸に沿って、のという字を書くようにマッサージするのも効果的です。
反対に下痢は、脱水症状に注意してください。落ち着きがなく行動がちぐはぐなのは脱水が原因であることも少なくないのです。高齢者は筋肉量が減るので水分を蓄積できない上、尿量が増えるので脱水症状になりやすくなります。