高齢者の介護…食べさせ方のコツは?「寝たら、アイスで刺激」

ある日突然、老親が緊急搬送で入院という事態が起こります。介護は毎日のことなので、使命感だけでは長続きはしません。10年以上、仕事をしながら父母の遠距離介護を続けてきた在宅介護のエキスパートは、「介護する人が幸せでなければ、介護される人も幸せにはならない」と訴えます。入院や介護に備え、知っておきたい制度やお金の話から、役立つ情報、具体的なケア方法までを明らかにします。本連載は渋澤和世著『親が倒れたら、まず読む本 入院・介護・認知症…』(プレジデント社)から抜粋し、再編集したものです。

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高齢者の食事も適温だと食がすすむ

食事の量はちょっと少ないくらいから始める

 

高齢者には、ちょっと少ないかな? くらいの量がちょうど良いのです。沢山食べてほしいと思って盛りすぎると、食欲がないときも、むせ込んでいても、もったいない、食べきるが使命となり、お互いに不幸になります。調子が良くもっと食べられそうなら追加するくらいの方がストレスになりません。

 

食べ物の温度は適温で

 

その食べ物が一番おいしく感じられる温度にすると食がすすみます。冷たくなった味噌汁やコーヒーより、程よく温かい方が良いのです。魚だって冷たくなったものより焼きたてをほぐしたものの方がおいしい。これを意識するだけでむせ込みも少なく、結果的に食事時間が短くなります。

 

食事介助中に寝てしまったら、目を覚まさせるには、体温より低いアイスクリームなどを一口食べさせます。主食→アイス→副菜→アイスの順番もアリです。飲み込みが悪いときは保冷剤などを口や喉に当てながら刺激をすると咀嚼の刺激になります。

 

高齢者には、ちょっと少ないかな? くらいの量がちょうどいいという。(※写真はイメージです/PIXTA)
高齢者には、ちょっと少ないかな? くらいの量がちょうどいいという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

ご飯を食べないとき

 

人間にとって口から食べるか否かはとても大切なことです。好き嫌いでなく、好物でも食べないことが続くようなら、歯が痛い、入れ歯が合わないことが原因の場合があります。内科的な原因ばかりではないので口腔ケアも意識してください。1回の食事で判断するのではなく、2〜3日トータルでそれなりに食べているかを意識してください。

 

1食くらいプリンやアイスクリームなどですませたとしても、お腹がすいて次の食事でよく食べるようなら大丈夫。このとき、少し量を多めにすると良いでしょう。空腹期間を経て、久しぶりの食事がきっかけで普通量に戻ることがあります。

 

そして水分補給もとても大切。カリウムを多く含む緑茶は腎機能が落ちている高齢者には控えた方が良い場合があります。麦茶は、カテキンやカフェインは入っておらず、亜鉛・リン・カルシウムなどのミネラル類、食物繊維やタンパク質、リノール酸なども含まれるのでとてもお薦めです。夏の水分補給はスポーツドリンクをと思う方も多いかもしれませんが、これも糖分、塩分が多く含まれているため、飲みすぎると肥満や高血圧などのリスクが上がります。

 

それならば経口補水液がお薦め。風邪やインフルエンザなど急な発熱、熱中症による多量の発汗や脱水症状に便利です。大塚製薬からOS - 1の商品名で販売されていますが、沸騰した水をさまし、砂糖、塩、レモン汁を加えてすぐに手作りもできます。

 

フォアグラ3皿、親にもたまには贅沢を孫の結婚式でフォアグラが出たのですが、「柔らかいから食べて」と周りの方からお気遣いいただいた3皿を私の母は完食していました。その上、デザートも大量に食べたのです。うちの普段の食事では頑なに口を閉じ受け付けない、むせてワザとのように吐き出すのに、ホテルではなぜか一度もむせないのです。

 

どうやら、おいしいもの、珍しいもの、贅沢なものはむせないようにできているらしいのです。安い肉より高い肉の方がよく食べるし、言葉にはしなくても人間の本能の姿が正直に表れていた出来事です。

 

食後の寝かせ方

 

食後は、2時間くらい椅子に座ると良いらしいのですが、不安定でそうもいかない方の方が多いと思います。せめてですが、10分は座らせておくか、ベッド上でも60度くらいをしばらく保たせると食べ物が逆流しにくくなります。

 

そして、体を右側にして寝かせてください。食べ物は胃の中で消化された後、胃袋の右下出口から腸へと流れていきます。胃から腸への移動がスムーズになるというわけです。上向きは舌でのどが塞がり睡眠時無呼吸になることもあります。そして、食後を問わず、嘔吐しているときは逆に左を下にすると良いでしょう。

「在宅介護エキスパート協会」代表

1964 年、静岡市生まれ、川崎市育ち。NEC 関連会社(現職)でフルタイム勤務の中、10 年以上に渡り遠距離・在宅介護を担う。両親の介護をきっかけに社会福祉士、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーなど福祉に直接的・間接的に関係する資格を取得。その経験や知識を多くの方に役立てていただけるよう「在宅介護エキスパート協会」を設立、代表を務める。
2人の子どもに恵まれるも、両親が同時期に脳血管障害、認知症、骨折、肺炎で入退院を繰り返す。長年にわたり仕事、子育て、介護(遠距離介護4年・在宅介護8年)の「トリプルワーク」を経験。仕事をしながらの育児、介護にストレスが極限にまで達し、介護疲れを起こす。書籍や情報サイトなどを頼るも、「介護の常識」は、仕事や育児との両立をしている人にとっては、全てこなすことなど到底できない理想論であることを痛感する。その後、「自分でもできる介護」を自力で確立することを決意。アイデア発想講師としての知識を生かし、それまでの「完璧な介護」から「自滅せず親も家族も幸せになる介護」へと発想の視点を変え、現代人のための介護思考法を独自に研究する。

著者紹介

連載親の入院、介護ですぐやること、考えること、お金のこと

親が倒れたら、まず読む本 入院・介護・認知症…

親が倒れたら、まず読む本 入院・介護・認知症…

渋澤 和世

プレジデント社

高齢化が進む日本では現在、介護ストレスによる介護疲れが大きな問題だ。そこで本書では、仕事や育児との両立を前提に、「完璧な介護」ではなく「頑張りすぎない介護」を提案する。 正社員としてフルタイムで働きながら、10年…

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