ある日突然、老親が緊急搬送で入院という事態が起こります。介護は毎日のことなので、使命感だけでは長続きはしません。10年以上、仕事をしながら父母の遠距離介護を続けてきた在宅介護のエキスパートは、「介護する人が幸せでなければ、介護される人も幸せにはならない」と訴えます。入院や介護に備え、知っておきたい制度やお金の話から、役立つ情報、具体的なケア方法までを明らかにします。本連載は渋澤和世著『親が倒れたら、まず読む本 入院・介護・認知症…』(プレジデント社)から抜粋し、再編集したものです。

苦い薬も好きなものに混ぜるのも一案

薬は飲みにくいもの

 

高齢になると、嚥下機能が衰えるので粒のものを飲み込むのは大変です。母はアルツハイマー型認知症の症状進行を抑制するアリセプトという薬を服用していますが、とにかく苦い。母は認知症とはいえ、この薬が口の中に残ったらたまりません。後々トラウマになり服薬拒否にもなりそうです。

 

一気に飲み込んでしまう方が絶対に良いのです。実際、口の中に残ってしまうと母は必ず舌を使って吐き出します。認知症は一般的に甘いものを好むといわれますが、母は以前からケーキが大好き。わが家は母の朝食に、まるごとバナナ(山崎製パンの洋菓子)を食べさせることが多くあります。この中に混ぜ込んでいるのです。バナナは一般的に朝食べると体に良いという情報もあるので、一石二鳥です。

 

食べ物に薬を混ぜるなんて非常識、など価値観の違いもあります。更に薬には食前、食後など飲むタイミングがあることも事実です。ですが、私は薬を飲むことを優先させます。朝は、慌ただしい上、母を送り出す時間は決まっている。

 

すなわちゴールがあります。自分が出社する時間も決まっています。この時間にはここまでの作業を終わらせるという指標があるのです。そして大好きなミルクティーを飲んでもらい機嫌をとります。食事時間はなかなかゆっくりとれないもの、こういうときは、嫌なものは好きなものに混ぜるのも一案です。

 

薬はまとめて管理する

 

母は通常、1種類の薬ですんでいますが、多くの高齢者は何種類も処方されていることでしょう。病気によっては、飲み忘れが身体に大きく影響することもあります。家族が服薬介助できない場合は、工夫が必要です。

 

①服薬ボックス・お薬カレンダーを利用する
②調剤薬局で一包化してもらう
③薬は飲んだかと時間に電話する
④薬は飲んだかと紙に書いて、目立つところに貼っておく
⑤介護サービスを使って、服薬をお願いする

 

母はアリセプトを朝、服用していますが、もし飲み忘れた場合は夜でも良いと医師に確認をとっています。とにかく1日1回、朝昼晩問わずでも良いそうです。ですが、決められたときに飲めないのなら飲まない方が良い薬もあります。処方された薬を飲み忘れた場合の扱いを医師に確認しておくと安心です。錠剤が難しくなったら、液体や貼り薬など、他の形態に変えてもらうなども相談をしてみてください。

 

親の薬を誤飲した

 

私と愛犬は、アリセプトの誤飲をしたことがあります。この薬が苦いと感じたのもこの経験からです。自分の薬と間違えて、朝の忙しさもあり母のものを飲んでしまったのです。一応、出勤はしたものの9時30分くらいにものすごい吐き気に襲われフラフラと化粧室に向かい、その後しばらくモヤモヤが続きました。

 

夕方には治まっていましたが内科を受診したところ、害はないが、念のためと吐き気止めが処方されました。そして愛犬は「まるごとバナナ」の盗み食いで薬も一緒にペロリ。こちらは吐くこともなく元気でしたが、私は家族から叱られ反省する出来事でした。この犬はその後、母の部屋に隙をみて入ろうとします。薬の置き場所にはくれぐれも注意してください。

 

渋澤 和世
在宅介護エキスパート協会 代表

 

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