医学部専門予備校・TMPS医学館代表取締役の長澤潔志氏が、自らの経験談をもとに、予備校講師のゆがんだ実態について解説していきます。

授業を見ないとわからない「予備校のレベル」

本記事ではまず、ベテランの講師と未成熟講師との差はどこにあるかを説明しましょう。

 

なぜそうした話をするかといえば、予備校を決める前に、まずは見学を申し出てほしいからです。授業を見学すれば、いろいろなことが見えてきます。その時の参考にしてほしいのです。

 

未成熟講師は、参考書の内容をうまく教えるのがやっとです。最初のうちはそれですら、当然、たどたどしく、自信がないですから、生徒に質問されて間違った答えを言ってしまった時など、強引に自分が正しいと押し付けることがよくあります。

 

優秀な生徒だと、「あの先生、間違ったことを言っている」と公然としゃべります。そんな時に調べてみると、やはり若い講師が多いのです。

 

しかし、いくら参考書や教科書をしっかり教えてみても、それだけで医学部に受かるのは無理だということは、少し考えればわかるかと思います。

 

参考書はどの出版社のものを買ってもほとんど「右へ倣え」で同じような説明しか書いいません。なぜならば、余計なことを書くと、すぐに偏っているとみなされて、自称学者からクレームがくるからです。

 

そのため、参考書を作成する先生方は問題が起こらないように、現在出版されているいろいろな既存の参考書を見ながら書くので、今の参考書は無難な内容で皆同じなわけです。

 

こうした講師に比べて、講師も経験値が上がってくると、大学がどういう問題を出すかが分かってきます。自分たちがそういう問題を作れるわけですから、その傾向も分かるわけです。その差がどれほどのものか分かると思います。

 

合格率などというまやかしの数字にこだわるのではなく、契約する前に、自分の目でしっかりと講師の質を見極めるべきなのです。そのためには逆面接をすればいい。授業はぜひとも見学させてもらうべきです。それで真剣に耳を傾けてください。本当にそれが価値ある授業なのかを考えてみてください。

 

間違えない道は、それしかないのです。

 

あとは、実際にどの先生に教えてもらえるのかをしっかりと聞き出すことです。それと、自分の子供の場合、実際にいくらぐらいの金額が必要になるのか、一般的にはこれくらいとか、普通ですとこれくらいとかではダメです。どれだけの授業を受けさせるつもりなのかをきちんと聞き出して、それから判断して総額を出してもらうべきなのです。

 

どこを見ても「一流講師陣が…」と書いてあるのに、実際に子供が授業を受けたら、えらく若い講師(私の30年の経験だと30歳前後はダメ)が出てきてエラそうに、先生気取りしていたら本当に笑い話でしょう。

 

(写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

 

注目のセミナー情報

【国内不動産】4月25日(木)開催
【税理士が徹底解説】
駅から遠い土地で悩むオーナー必見!
安定の賃貸経営&節税を実現
「ガレージハウス」で進める相続税対策

 

【資産運用】5月8日(水)開催
米国株式投資に新たな選択肢
知られざる有望企業の発掘機会が多数存在
「USマイクロキャップ株式ファンド」の魅力

次ページ講師のレベルは同じ質問を2回することでわかる

本連載は、『医学部受験の闇とカネ』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。なお本記事で紹介している内容は、著者の体験をもとに執筆しております。万一、本連載の記載内容により不測の事故等が生じた場合、著者、出版社はその責を負いかねますことをご了承ください。

医学部受験の闇とカネ

医学部受験の闇とカネ

長澤 潔志

幻冬舎メディアコンサルティング

講師歴30年の医学部専門予備校代表の長澤潔志氏が、実体験をもとに、合格率を偽って、「授業料を挙げる予備校」、「コネとカネがなければ合格できない推薦枠を設ける大学」、「指導力不足で受験生を浪人に導く高校」など、さま…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧