医学部専門予備校・TMPS医学館代表取締役の長澤潔志氏が、自らの経験談をもとに、予備校講師のゆがんだ実態について解説していきます。

単語を覚えなくてもいいという講師は「ダメ講師」

また、ダメな講師は平気で大胆なことを言います。しかも、それがいつも楽な方法なのです。たとえば「単語は覚えなくていい」とか、「この問題はやらなくていい」。それでどうするのかと思ったら、「僕の授業さえ受けていれば大丈夫」。これはもう、思いっきり怪しい以外の何ものでもありません。受験にテクニックはありますが、楽に済む方法などは絶対にありません。

 

英単語だってちゃんと何千個も覚える。そうやってコツコツとしっかりやった人にこそ、勝利の女神は微笑むものです。そのことの大切さをきちんと伝えてくれる人のほうが信用できるはずです。

 

それこそ「師」を探してほしいと思います。自分はまさにこの先生なら師事してもいいと思える人間です。自然とパワーを感じる。感銘を受ける。何となく「ついていってもいいかな」と思う相手です。そうした師を選ぶためには、授業だって、服を試着するように、体験してみなくてはダメでしょう。

 

究極の選択は、予備校を選ぶのではなく、そうした「師」を選ぶのです。子供自身が選ぶのがいちばんですが、まだ先生を見分ける力がなければ、親子一緒に選ぶべきです。少なくとも大人である親が見て、聞いて、「すごいな」と感じる先生を探すべきでしょう。それこそ必死になって探してほしい。親の真剣さは必ず子供に伝わる時が来るからです。

 

さらに言えば、教科ごとに予備校を変えるという裏ワザもあります。私のところではそれは可能です。実際に、他の予備校に通っている生徒がいます。それは咎めません。他校は、嫌がるのが普通だと思います。しかし、そのほうがいいと思ったのであれば、それは頼んでみるべきです。それを許す予備校であれば、いろいろと信頼できそうだと分かります。

 

長澤 潔志

医学部専門予備校・TMPS医学館代表取締役

 

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本連載は、『医学部受験の闇とカネ』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。なお本記事で紹介している内容は、著者の体験をもとに執筆しております。万一、本連載の記載内容により不測の事故等が生じた場合、著者、出版社はその責を負いかねますことをご了承ください。

医学部受験の闇とカネ

医学部受験の闇とカネ

長澤 潔志

幻冬舎メディアコンサルティング

講師歴30年の医学部専門予備校代表の長澤潔志氏が、実体験をもとに、合格率を偽って、「授業料を挙げる予備校」、「コネとカネがなければ合格できない推薦枠を設ける大学」、「指導力不足で受験生を浪人に導く高校」など、さま…

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