ヘッジファンドに関心はあるけれども、情報が少なく、二の足を踏んでいる人も多いでしょう。そこでヘッジファンドマネージャーの話から、ヘッジファンドの実態を明らかにしていきます。今回話を伺うのは、国内独立系ヘッジファンドのオリオール・アセット・マネジメント株式会社に所属する小野塚二也氏。IT・サービスセクターに特化したリサーチに強みをもつ同社が現在注目している「投資テーマ」とは?

時代の流れに沿って「より高いパフォーマンス」を追求

オリオール・アセット・マネジメント株式会社の小野塚ヘッジファンドマネージャー
オリオール・アセット・マネジメント(株)の小野塚ヘッジファンドマネージャー

 

――まず最初に、会社を立ち上げた経緯を教えていただけますか?

 

現在の会社は5人で回していますが、当社アナリストもヘッジファンドマネージャーも全員証券会社出身で、私は株式・先物のディーラー業務をしておりました。

 

私自身が証券会社に務めていた当時のアナリストは圧倒的にセルサイド(株式を売る側)が多かったのですが、業務を続けていくなかで、規制当局の流れなどから「セルサイドや伝統的なバイサイドでは出来ることが限られるのではないか」と個人的に感じるようになったことが独立の1つのきっかけです。

 

今までの市場ビジネスモデルは、セルサイド側で仕入れた情報をバイサイド(買い側)に伝えて収益を得るという流れでしたが、CSAの導入や法人関係情報の取り扱いが変わったことなどで、セルサイドの圧倒的な優位性がなくなってしまいました。

 

※CSA(Commission Sharing Agreement):運用会社が証券会社に支払う売買手数料を売買執行の対価分とアナリストのリサーチ対価分とに分離すること

 

時代の流れに沿いながらも自分たちのパフォーマンスをもっと効率よく引き出すために、ヘッジファンドという選択肢になりました。

「運用業界を駆け上がる」という想いが込められた社名

――時代の変化ということですね。それでは、「オリオール」という社名の由来と、立ち上げてからのことを教えていただけますか。

 

社名でもある「オリオール」とは、ラテン語で「昇る・上昇する」などの意味があります。この意味のように「運用業界を駆け上がるヘッジファンド」を目指して日々取り組んでいます。

 

2012年に設立当初は投資助言業をメインにしており、開業当初からシンガポールのロング・ショートのファンドに投資アドバイスをしていました。

 

※株式の買い(ロング)と売り(ショート)を同時に行うことで、株式市場の変動リスクを低減させながら収益を狙う戦略のこと

 

その後、2020年11月13日に「適格投資家向け投資運用業」の申請が受理され、より本格的な資産運用を開始しました。

 

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インタビュアー/冨中 則文(幻冬舎アセットマネジメント)

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