ヘッジファンドに関心はあるけれども、情報が少なく、二の足を踏んでいる人も多いでしょう。そこでヘッジファンドマネージャーの話から、ヘッジファンドの実態を明らかにしていきます。前回に続いて話を伺うのは、国内独立系ヘッジファンドのオリオール・アセット・マネジメント株式会社に所属する小野塚二也氏。今回は、同社が得意とする買いと売りを組み合わせた「ロングショートファンド」が、今後の日本の株式市場で有望といえる理由について見ていきます。

「独立系ヘッジファンド」で投資に対する想いを実現

オリオール・アセット・マネジメント(株)の小野塚ヘッジファンドマネージャー
オリオール・アセット・マネジメント(株)の小野塚ヘッジファンドマネージャー

 

――ヘッジファンドは海外では当たり前になりつつありますが、国内ではまだまだ馴染みがないような気がします。これについて、ヘッジファンドマネージャーとしてどう見ていますか?

 

そこがまさに、私たちがオリオール・アセット・マネジメントを立ち上げた大きな理由の1つです。

 

日本のヘッジファンドはまだ歴史が浅く、資産運用会社のほとんどが証券や銀行系のグループ会社です。お金を扱う以上、ネームバリューがあって、強力な販売力を持っている運用会社はやはり強いです。

 

ただし、銀行・証券系や外資系の大手運用会社は親会社の意向を重視しなければならず、ファンドマネージャーの裁量が制限されているのが実情です。つまり、組織の制約を受けながら、高いパフォーマンスをあげなければなりません。

 

そこで私たちは、これまでの経験から得た運用ノウハウをお客様にリターンとして還元し、私たちの投資に対する想いを実現するには、「独立系のヘッジファンド」しかないのではないかと考えました。

 

お客様の信頼を得て、日本人のヘッジファンドに対する負のイメージを払拭できるように取り組んでいます。

フルレバレッジで運用しているヘッジファンドは少ない

――先ほど「負のイメージ」とありましたが、もう少し詳しく教えていただけますか。

 

日本人には「投資信託嫌い」が多いですが、その理由として、投機的なイメージが根強いことに加えて、過去にパフォーマンスが悪かった時代があったことや、短期売買が横行していたことなどが考えられます。

 

日本はバブル崩壊後、様々な要因が重なって経済が低成長になり、株価も低迷しました。購入時の投資信託の基準価額を大きく下回る投資信託も多く、投資信託嫌いになった方も多いでしょう。また、2012年にAIJ投資顧問による年金消失事件があり、ヘッジファンドは「投機的」「ハイリスク」と思われた方もいるかもしれません。

 

ただし私たちは、AIJの事件以来厳しくなった規制当局の審査をクリアして免許を取得し、リスク管理を徹底しています。特に日本の独立系ヘッジファンドはフルレバレッジで運用しているところはほとんどありません。自分たちの裁量のなかで低レバレッジで運用しながらも着実に利益を積み上げ、お客様にリターンを還元しています。

 

 

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インタビュアー/冨中 則文(幻冬舎アセットマネジメント)

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