ヘッジファンドに関心はあるけれども、情報が少なく、二の足を踏んでいる人も多いでしょう。そこでヘッジファンドマネージャーの話から、ヘッジファンドの実態を明らかにしていきます。前回に続いて話を伺うのは、国内独立系ヘッジファンドのオリオール・アセット・マネジメント株式会社に所属する小野塚二也氏。投資する企業をリサーチする際にどこに着目しているのかを、事例を交えてお伝えします。

既存のビジネスモデルから「新しいもの」が誕生するか

オリオール・アセット・マネジメント株式会社の小野塚ヘッジファンドマネージャー
オリオール・アセット・マネジメント(株)の小野塚ヘッジファンドマネージャー

 

――御社は、投資先の候補を選ぶ際、企業を訪問するといったこと以外に、どのような分析をしていますか?

 

わかりやすいので創業前の話を例に挙げて説明しますが、弊社のアナリストが以前、航空業界についてリサーチをしたことがあります。

 

ある航空会社が上場したころに注目をしていたのですが、当時はどのような路線で収益を上げていくのかどうか、見通しがわかりにくい状況でした。

 

今でこそ格安航空会社が一般的になりましたが、一昔前の航空業界は、東京・大阪間でも新幹線の2倍3倍もするような価格設定でした。

 

それまでの航空業界は、なぜ高価な価格でしか対応できなかったのか。その要因の1つに、飛行機1機を抱えるには、維持費や人件費など多額のコストがかかることが挙げられます。

 

私たちが注目した企業は、高額な飛行機の運賃を値下げするには、まずこのコストダウンを図る必要があると考え、当時の航空業界では類を見ない対策で大幅なコストダウンを試みました。そして、その路線のなかに新たなビジネスモデルが誕生するのではないか、と考えました。

「継続的な需要」が見込めるビジネスモデルかどうか

――先ほどの航空会社は、具体的にどのような方法でコストダウンを実行して集客アップに繋げたのか、もう少し詳しく教えていただけますか。

 

私たちは、その航空会社の「パイロット」と「発着路線」に注目しました。

 

初めにパイロットの話ですが、そもそも同じパイロットのなかにも大型機を操縦する免許や中型機を操縦する免許、ボーイングやエアバスでライセンスが異なるなど様々あり、免許の数が多いパイロットほど付加価値があるとされています。

 

もちろん、どのような機体でも操縦できる優秀なパイロットは企業にとって大きな強みですが、そのような人材を揃えるには多大なコストがかかります。

 

その企業は、パイロットの質を落とさずに経費を削減する方法として、機体を統一したのです。単純に考えると、機体を絞る分、操縦する側の免許も限られますので、多くのパイロットを確保する必要がなくなり、コストダウンに成功しました。その結果、利用者に還元することが可能になったのです。

 

もう1つ注目したのが発着路線で、競争が激化していた「羽田・伊丹」区間を捨てて、「茨城・神戸」区間を新たに飛ばすことにしました。しかし、「茨城・神戸」区間を利用する人は本当にいるのか疑問だったので、実際にこの区間を乗って往復して確かめることにしました。

 

そうすると、東京から茨城空港までの空港バスのアクセスが思ったより悪くなかったと感じました。また、茨城空港で搭乗者にヒアリングすると、意外と長距離バスからのスイッチングが多いことなどに気づきました。

 

そして、「これは一時的な需要ではなく、継続的な需要が取り込めるのではないか」という判断に至りました。

 

 

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インタビュアー/冨中 則文(幻冬舎アセットマネジメント)

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