この最高裁の通り、「もし遺言の存在を知っていれば、このような遺産分割協議はしなかった。」ということができるのならば、遺産分割協議は無効となります。
なお、この最高裁の判断については、遺産分割協議の内容と遺言の内容がまったく異なるものであったことが判断のポイントになっている、という指摘がされています。
したがいまして、遺産分割協議をした後に遺言書が発見された場合、無条件で遺産分割協議が無効となるわけではなく、たとえば、遺言書の内容と遺産分割協議の内容の相違の程度が小さい場合などは、錯誤はないとして、遺産分割協議は無効とはならない可能性もあるということには留意が必要です。
※本記事は、北村亮典氏監修のHP「相続・離婚法律相談」掲載の記事・コラムを転載し、再作成したものです。
北村 亮典
こすぎ法律事務所弁護士
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