【事例検証】駅近で利便性も高い…入札するべき?
過去の公告書(売却済)の例を見てみましょう。
令和〇年(ヌ)第〇〇〇号
売却基準価額:1,000万円
買受可能価額:800万円
買受申出保証額:200万円
所在:東京都〇区〇〇町〇丁目〇番地〇
位置・交通:地下鉄〇〇線〇〇駅西方に近接
建物の名称:〇〇町〇〇〇ハイツ〇〇号室
床面積:〇階部分18.12平方メートル
建築年月日:昭和57年〇月〇日
古いワンルームマンションですが、駅と近接(ほぼ駅上)の利便性と、お手頃価格が注目ポイントです。問題は事件番号が「(ヌ)」であること。前述の通り、これは強制競売物件であり、引き渡し後も占有者が居座り続ける可能性が高いです。
現況調査報告書にある室内写真を見ると、家財が雑然と置かれており、執行官の意見欄にも「室内の汚損や内壁等の剥離も見られた」とあります。しかし「雨漏りや排水不良等の不具合はない」ともあり、軽微なリフォームで使えそうなイメージも持てます。評価書によると収益価格は1,300万円で、転売すれば300万円の利益、または所有して賃貸すれば利回り6%で月額家賃6.5万円程度の収益が望めます。
競売不動産は落札者の自己責任によるところが大ですが、実際に体験してみると、建物の構造や価格査定、他人との利益交渉まで幅広く学ぶことになり、投資家としてもグッと知見が広がることでしょう。入札まで至らなくても、競売物件の資料である「3点セット」を見るだけでも、さまざまな人間模様やドラマを垣間見ることができるはずです。
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