教師を志望している生徒には常識がない
予備校で講師のアルバイトをしている学生の中には、高校教師を志望しているという学生もいましたが、「やめて欲しい!」と私が心の中で叫んでしまうような、教師には向かないタイプがほとんどでした。挨拶もろくにできず、電話応対もままならず、社会人としての自覚も、コミュニケーション能力も低い人間ばかりだったと記憶しています。
こうして考えると、高校教師を志望する学生たちの多くは、教育にプライドや情熱を持って突き進もうという高い意識の人間には程遠い存在だと言えます。義務教育ではないという安心感。さらに国公立教師の場合には、公務員ならではの安定性―そういった自己中心的な発想で高校教師を志望している人間が多過ぎるのです。
これには政府も、かなり昔から頭を悩ませてきました。教員免許更新制が導入され、教員免許の取得を大学院レベルまで引き上げようという案も出ているほどです。
「ワカサギ」(魚類)と「シラサギ」(鳥類)を同じだと平然と言ってしまう。「カルボキシラーゼ」と「デカルボキシラーゼ」が同じものだと認識している。あるいは「散文」と「韻文」の違いも知らない。はたまた二次関数の平方完成すらできない。
そんな基本的な学力さえ持たない高校教師が、確かに存在しているのが実情です。同じく高校生の教育を担う者として、その事実を極めて遺憾に思います。
もちろん数は少ないものの、素晴らしい教師が存在するには違いありません。そうした優秀な教師をできる限り多く確保しなければ、日本の教育現場はますます無残な状況に追い込まれ、受験生をサポートできる教師は皆無となってしまうことでしょう。
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