医学部専門予備校・TMPS医学館代表取締役の長澤潔志氏が、自らの経験談をもとに、医学部受験のゆがんだ実態や教師が頼りにならなくなってしまった原因について解説していきます。

予備校生の多くは偏差値40以下

偏差値の話をもう少し続けますと、私たちにとって、偏差値60の子供を70にすることはそれほど難しくありません。用意のできている子を、臨戦態勢にして勝つ確率を高めるだけで済むからです。しかし、短期間で偏差値40の子を60にするのは至難の業です。

 

(写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

 

下地ができていない、それこそ賢くなる用意ができていないからです。その土台づくりだけでも1年はかかります。1年で偏差値40の子を医学部合格に導くことは簡単ではないのです。

 

ところが、そうした生徒たちが、今、予備校にはあふれています。その生徒たちに必要なのは、受験勉強の前に、中高6年間の基本を徹底することに加え、精神的な修行です。学ぶ姿勢がなければ、いくら教えても身につかないからです。

 

しかも、偏差値40以下の子供の1割から2割は何らかの原因で引きこもったりしています。そうした子供たちの面倒を見ることも、私たち予備校の役割だと考えています。

 

普通の医学部専門予備校、特に大手予備校は、そんなヘビーなことは絶対にしません。お金さえ払ってくれれば何年でも在籍してくれていいのですから、それは予備校側から言えば決して悪いことではないわけです。

 

つまり、見て見ぬふりをしているのです。

 

では、授業の内容に関して大手予備校が優秀かというと、そうでもありません。予備校の基本は教科書と参考書に書かれていることを教えることです。それで最後にちょろちょろと直前対策なるものを行って、「さあ、行ってらっしゃい!」と送り出すだけです。

 

それでいて、多額のお金を請求するのです。

 

そうした現実、裏の事情が、日本の受験業界には潜んでいます。

 

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

本連載は、『医学部受験の闇とカネ』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。なお本記事で紹介している内容は、著者の体験をもとに執筆しております。万一、本連載の記載内容により不測の事故等が生じた場合、著者、出版社はその責を負いかねますことをご了承ください。

医学部受験の闇とカネ

医学部受験の闇とカネ

長澤 潔志

幻冬舎メディアコンサルティング

講師歴30年の医学部専門予備校代表の長澤潔志氏が、実体験をもとに、合格率を偽って、「授業料を挙げる予備校」、「コネとカネがなければ合格できない推薦枠を設ける大学」、「指導力不足で受験生を浪人に導く高校」など、さま…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録