医学部専門予備校・TMPS医学館代表取締役の長澤潔志氏が、自らの経験談をもとに、医学部受験のゆがんだ実態や教師が頼りにならなくなってしまった原因について解説していきます。

頼りにならない高校教師

大学受験を考えている高校生にとって、一番身近で、頼るべき存在の大人は誰でしょうか。本来は、日々子供たちに接する高校教師であるはずです。

 

ところが、現実には、大学や学部選択の相談も、勉強そのもののサポートも、ほとんどの高校教師が役に立っていないという実情があります。

 

その理由の一つは、教師が忙し過ぎることにあります。ほとんどの教師が煩雑な教務の仕事と、モンスターペアレントへの対応に日々追われているのです。私自身が大学で教鞭を執っていた時にも、受け持つ学生の出欠や成績の管理といった教務が忙しく、個々の学生にとって必要なサポートが十分にはできなかったという悔しい経験があります。

 

(写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

 

しかし、多忙という理由以外にも、さらに大きな問題があります。大変悲しいことですが、高校教師のレベルが驚くほど下がっているという点です。

 

私が大学や予備校の教師を三十余年していて強く感じていることの一つに、大学で教職を選択する、または選択しようと考えている学生は、ほとんどの場合、トップクラスに位置していない平均的成績の学生が多い傾向にあるということです。予備校に通う学生に限定すれば、教師になりたいと志望する子は、ほとんどいませんでした。たまに教師志望と公言している学生を見掛けると、成績はむしろ悪いほうに属していました。

 

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本連載は、『医学部受験の闇とカネ』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。なお本記事で紹介している内容は、著者の体験をもとに執筆しております。万一、本連載の記載内容により不測の事故等が生じた場合、著者、出版社はその責を負いかねますことをご了承ください。

医学部受験の闇とカネ

医学部受験の闇とカネ

長澤 潔志

幻冬舎メディアコンサルティング

講師歴30年の医学部専門予備校代表の長澤潔志氏が、実体験をもとに、合格率を偽って、「授業料を挙げる予備校」、「コネとカネがなければ合格できない推薦枠を設ける大学」、「指導力不足で受験生を浪人に導く高校」など、さま…

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