頼りにならない高校教師
大学受験を考えている高校生にとって、一番身近で、頼るべき存在の大人は誰でしょうか。本来は、日々子供たちに接する高校教師であるはずです。
ところが、現実には、大学や学部選択の相談も、勉強そのもののサポートも、ほとんどの高校教師が役に立っていないという実情があります。
その理由の一つは、教師が忙し過ぎることにあります。ほとんどの教師が煩雑な教務の仕事と、モンスターペアレントへの対応に日々追われているのです。私自身が大学で教鞭を執っていた時にも、受け持つ学生の出欠や成績の管理といった教務が忙しく、個々の学生にとって必要なサポートが十分にはできなかったという悔しい経験があります。
しかし、多忙という理由以外にも、さらに大きな問題があります。大変悲しいことですが、高校教師のレベルが驚くほど下がっているという点です。
私が大学や予備校の教師を三十余年していて強く感じていることの一つに、大学で教職を選択する、または選択しようと考えている学生は、ほとんどの場合、トップクラスに位置していない平均的成績の学生が多い傾向にあるということです。予備校に通う学生に限定すれば、教師になりたいと志望する子は、ほとんどいませんでした。たまに教師志望と公言している学生を見掛けると、成績はむしろ悪いほうに属していました。
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