地方の不動産物件を広告のなかには、都市部在住の人があまり目にすることのない「珍しい間取り」が掲載されていることがあります。日本は狭い国土にもかかわらず、地方色の強い「ご当地ならではの間取り」が存在するのです。本記事では、日本各地で見かける興味深い間取りと、そんな間取りが生まれた背景を調べてみました。

東京・赤坂では「小部屋」の賃貸募集&売却が増加中?

 

東京の赤坂や新橋などで時折見受けられるのが、1畳から2畳程度の小部屋がずらりと並んだ1棟建ての住宅です。

 

これは、料亭や小料理屋の店主が見習い職人のために建てたいわゆる「社宅」的なもので、見習い職人たちはここで暮らしながら料理の腕を磨きます。しかし、こういった見習い制度をとる店は減少の一途で、古式ゆかしい師弟制度は消滅しつつあります。

 

また、昭和3年(1928年)創業の料亭、赤坂「金龍」が2019年3月に閉業したのを皮切りに、コロナ禍の影響も相まって老舗料亭の廃業にも拍車がかかっています。このような理由から、見習い職人向け住宅の賃貸募集や売却が増加傾向にあります。

その地ならではの進化を遂げた「ご当地間取り」

 

厳しい気候条件の克服や商店の間口確保など、地域がそれぞれに抱える課題を解決するため、ご当地間取りは独自の進化を続けてきました。

 

これらの間取りが誕生した経緯を知らなければ「変な間取り」で終わってしまいますが、歴史的背景を辿っていけば「なるほど」と納得できる答えが得られます。

 

コロナ禍が落ち着いて旅行に出かける際は、ガイドブックでお馴染みの観光名所だけでなく、その地の街並みや家の間取りにも注目してみてください。もしかしたら、新たなご当地間取りを発見できるかもしれません。

 

 

 

 

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※本記事は、「ライフプランnavi」に掲載されたコラムを転載・再編集したものです。

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