半永久的に残る…「日本の地中」の知られざる実態
チェックポイント①:地中障害・土壌汚染
地中障害とは、昔の建物の基礎が残っている場合や、浄化槽、井戸、ゴミ、石、瓦、柱等の建築廃材が埋まっている場合のことです。珍しいところでは、昔はビルの基礎に松杭を使用していたので松杭が大量に見つかったり、江戸時代の処刑場跡から人骨が出てきたりすることなどもありました。
こうした地中障害は、結構な割合で見つかります。昔は産廃処理規制が厳しくなかったことも理由の一つではあると思いますが、こうした地中障害があると基礎工事ができませんので事前に処理しておかないといけません。
また、土壌汚染とは、重金属・有機溶剤・農薬・油などの物質によって土壌が汚染されている状態のことです。汚染の原因となりやすいのは、工場や排水施設からの漏洩や廃棄物の埋め立てなどです。人為的な原因がなく、ヒ素やフッ素等、自然由来で有害物質が含まれていることもあります。
油(ガソリン・重油)で汚染されているという場合もあります。油は土壌汚染対策法で定められた有害物質ではありませんが、放っておくとベンゼンになる危険性もあることや、油膜、油臭の不快感から、土地の瑕疵(きず)とみなされることから、土壌汚染として対策されるケースが増えています。油汚染をそのままにしておくと、契約不適合責任を追及されるリスクもあるということです。
土壌汚染は人体の健康や動植物・生態系に長期間にわたり悪影響を及ぼしますので、汚染がわかったら処理しなくてはなりません。
しかし、土壌汚染というのは見た目や臭いで気づく場合もありますが、たいていの場合は外見では気づきにくいものです。また、土壌汚染は半永久的に残ります。売買時点では駐車場であったとしても、過去のどこかの段階で汚染されている場合があるかもしれません。
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