勝てる投資家になるには
「相場の本質」を知らなければ、勝てる投資家にはなれない
インターネットとコンピュータの時代になって、株式相場も理詰めで動いていると思っている人もいるかもしれません。しかし、それは大きな誤解です。現代でも株式投資はメンタルな部分が非常に大きいのです。なぜなら、一部の機械的な売買を除けば、株式市場に参加しているのは基本的に「人」だからです。
株価が上がれば「さらに高くなるだろう」と期待したり、逆に「ここがピークで下げてしまうのではないか」と不安になったり、また下落しているときは「まだまだ下がるのではないか」「そろそろ下げ止まるだろう」などと考える。下落しているときに保有中ならば不安で売り急ぎたくなるし、買おうと考えていればできるだけ安くなるのを待ちたいと思う。そういう相場参加者の心理的な部分を、相場から切り離すことはできません。
というより、そうした心理的な部分こそが、株式市場を形成している「相場の本質」なのです。古今東西、どのような「市場」でも、人の心理が相場を動かしていることに変わりはありません。にもかかわらず、相場参加者の心理を無視して、チャートや指標に頼ったテクニックだけでなんとか勝ち続けようとしてもうまくいくはずがないのです。
江戸時代の二人の相場師―本間宗久と牛田権三郎は、この「相場の本質」をとらえた格言を数多く残しています。二人の相場格言を通じて「相場の本質」を学ぶことで、誰もが勝てる投資家に変われると私は考えています。
ただし、このことはテクニカル分析などの投資テクニックを否定するものではありません。たとえば、底値を狙って買いたいと思ったら、チャートで底値の形を知っておくことは必要です。とは言え、単に底値の形を覚えておくだけでは不十分です。相場参加者のどんな心理が働くことで底値の形が作られるのか、それを知った上で正しい投資行動が取れるようになることが重要なのです。
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