今回は、米国認定不動産投資顧問(CCIM)の高山吏司氏が、令和3年度の「所得に対する確定申告」から変更になる点について説明します。

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「減価償却費」とは、一体どんなものなのか?

減価償却費は、一度に支払った費用を、年を分けて少しずつ費用化するものです。何年に分けて費用化できるのかは、税務当局が作成する「減価償却資産の耐用年数表」に、資産の種類ごとに「法定耐用年数」として定められています。

 

例えば木造住宅であれば、法定耐用年数22年なので、22年間で減価償却をします。単純な例でいえば、建物の価格が2200万円の木造住宅を購入した場合、22年間、毎年100万円ずつ費用化できるということです。

 

ただしこれは新品で購入した場合です。

 

中古で取得した場合は、すでに一定の耐用年数を経過しているので、一定の年数を差し引いて計算します。築22年を超える中古木造住宅など、法定耐用年数を超えている場合は、法定耐用年数の20%の期間で償却します。中古木造住宅なら22年×20%=4.4年で端数は切り捨てて4年で償却できることになります。

 

この中古資産の耐用年数の計算方法を「簡便法」といいます。

令和3年度の所得に対する確定申告から変更されること

ところが、令和2年の税制改正にて

 

「国外中古建物の不動産所得に係る損益通算等の特例」

 

が創設されました。

 

これにより、個人が所有している国外の中古建物について、簡便法や見積法に基づいて計算された耐用年数により算出された減価償却費による不動産所得の損失は、損益通算が認められないこととなりました(適用は令和3年度所得に対する確定申告から)。

 

損益通算が認められないことに…(画像はイメージです/PIXTA)
損益通算が認められないことに…(画像はイメージです/PIXTA)

 

減価償却を加速する「コスト・セグリゲーション」とは

弊社では、アメリカ不動産投資において、効率的に税効果を得るための「コスト・セグリゲーション」を提案しています。

 

コスト・セグリゲーションとは、簡単に言うと建物をひとまとめにして減価償却するのではなく、構築物や動産などに細かく分類して個々に減価償却の計算をする方法です。

 

例えば、アメリカ住宅の広い土地の敷地を囲うフェンスなどは「構築物」という資産項目になります。また、アメリカでは冷蔵庫や洗濯乾燥機、ガスオーブンなどの大型家電が、中古住宅売買で一緒に売買されることも普通ですが、これらは「動産」になります。

 

先に耐用年数の説明をしましたが、木造住宅の耐用年数が22年であるのに対して、構築物や動産は6年~20年と、住宅よりも短い耐用年数が設定されています。

 

そこで、建物を細かく分類して、より短期でより多くの減価償却費を計上できるようにすることが、コスト・セグリゲーションの目的です。

 

これはアメリカのIRS(国税庁)も批准する考え方であり、広く用いられています(区分のためには専門知識が必要となります)。

 

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[改訂版]日本人が絶対に知らない アメリカ不動産投資の話

[改訂版]日本人が絶対に知らない アメリカ不動産投資の話

高山 吏司
ブロドスキ・ザクリ
豊岡 昂平

幻冬舎メディアコンサルティング

「アメリカ不動産投資」といえば、 一昔前までは、超富裕層が趣味と実益を兼ねて別荘を購入したり、 駐在員や大使館職員が現地に自宅を構えたりするのが主流でした。 しかし、時代は変わり、普通に日本にいながら、日本語だ…

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