日本人の平均生涯賃金…「2億円超」をどう捉えるべきか?

長引く不況にコロナ禍の打撃が加わり、さらに先の読みにくい世の中となりました。老後生活を脅かすのは「貯蓄不足・長生き・インフレ」の3大リスクですが、不安を軽減した人生設計を行うには、これら3大リスクを踏まえつつ、「ライフステージに適した資産運用戦略」を練ることが重要です。そこで登場するのが「人的資本」というキーワードです。一体どういうことでしょうか? 資産運用会社のアライアンス・バーンスタイン株式会社で運用戦略を行う後藤順一郎氏が解説します。

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「給与を稼ぐ力=人的資本」も、重要な資産のひとつ

いまの自分の財産がどれくらいかを考える場合、一般的には、預貯金、投資などの金融資産や車や持ち家などを財産として考慮すると思います。つまり、車や不動産のように目に見えるものや、預貯金のように残高という形で確認できるもののみを財産として考えてしまいがちです。

 

ですが、実は働いている人にはこれ以外にも「大きな資産」があることをご存じでしょうか。それは、車や不動産のように実体があるわけでもなく、預貯金のように残高で把握できるものでもありませんが、現役の人には「自分自身が働いて給与収入を稼ぐ力」という見えない資産が確かに存在するのです。

 

この稼ぐ力こそ「人的資本」であり、定年退職までに稼ぐ給与収入の割引現在価値(将来得られる価値について、もしも現在受け取れるならどの程度の価値をもつかを表したもの)の合計で定義されます。

 

労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計2019」によると、2017年の大卒・大学院卒の平均生涯賃金(60歳まで)は、男性で2億6,920万円、女性は2億1,670万円となっています。これは単純な合計であり、金利で割り引いた現在価値は、これよりも小さくなりますが、それでも他の財産対比、非常に大きな資産であることは間違いありません。

 

この「人的資本」はいまから定年退職までに稼ぐ給与収入に基づき計算されますから、就職したばかりの若者であれば、定年退職まで約40年もあり、人的資本は非常に大きくなります。一方、定年退職直前の人であれば、定年退職までの短い期間ではそんなに多くの給与収入を稼げないですから、人的資本は小さくなります。

 

このように、年齢によって価値が変わっていく「人的資本」を運用戦略策定の際に考慮することで、ライフ・ステージの変化にあった運用が実現できるのです。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

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世界25ヵ国、約64兆円の機関投資家・富裕層資金を運用する、
米国アライアンス・バーンスタインによる「米国株式市場の投資環境・見通し」

アライアンス・バーンスタイン株式会社 運用戦略部マネジング・ディレクター 兼 AB未来総研所長
慶應義塾大学理工学部 非常勤講師

2006年4月に入社。現在、マルチアセット戦略のプロダクト担当。また、DC・NISAビジネスの推進及びAB未来総研にて顧客向けソリューション/リサーチ業務も兼務。

入社以前はみずほ総合研究所株式会社(みずほフィナンシャルグループから出向)に勤務、主として企業年金向けの資産運用/年金制度設計コンサルティングに従事。

共著書に「年金基金の資産運用-最新の手法と課題のガイドブック-」(2004年、東洋経済新報社)、「企業年金の資産運用ハンドブック」(2000年、日本法令)、「The Recent Trend of Hedge Fund Strategies」(2010年、Nova Science Pub Inc, 2010)。

論文に「ヘッジファンドのスタイル分析-ファンドオブヘッジファンズの超過収益獲得能力の推計-」(2007年、日本ファイナンス学会第15回大会)、「これだけは押さえておきたい資産形成のポイント」(2011年、投資信託事情)、「行動ファイナンスから見た“マーケットとの付き合い方”」(2012年、投資信託事情)、「基礎から分かるターゲット・イヤー・ファンド」(2014-2015年、ファンド情報)など。

1997年に慶應義塾大学理工学部管理工学科にて学士号、2006年に一橋大学大学院国際企業戦略研究科にて経営学修士号(MBA)取得。

日本アクチュアリー会準会員、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、国際公認投資アナリスト(CIIA)、1級DCプランナー、慶應義塾大学理工学部非常勤講師

著者紹介

連載人生100年時代を生き抜くための「ライフサイクル投資」実践講座

※本記事は「ニッキン投信情報」に掲載されたコラムを転載・再編集したものです。

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