今のうちから働き方のシミュレーションを
下記は、厚生労働省が発表している、勤務間インターバル制度を踏まえた、医師の働き方のイメージです。こういった資料等を参考にしながら、2024年度以降、現場の医師・コメディカルスタッフがどのような働き方をしていけばよいのかを今のうちからシミュレーションしておきましょう。
そして、現状の医師数での運営が困難であると判断したならば、今のうちから非常勤医師の補填を行うといった具体的な手立てを考えておく必要があります。2024年の実施直前になってあわてて非常勤医師を探し始めても、その時にはすでに他の病院が囲い込んでいて、該当する非常勤医師が見当たらない、という笑えない事態が発生するかもしれません。
今から綿密な計画を立てて、必要であれば、遅れることなく然るべき医師を確保しておくことが非常に大切なポイントとなります。
医師は、「副業」として他病院でのアルバイト当直やアルバイト外来に従事していることも珍しくありません。この他院での業務も労働時間に含まれます。
ですから、医療機関は今まで以上に副業内容について医師一人ひとりと丁寧に確認しながら、「年間残業時間960時間まで」を遵守できるよう配慮していていく必要があります。
また、今後は専門医取得や学会発表のための臨床研究のデータ管理やスライド作りといった「自己研鑽」の時間も、あらかじめ配慮していくことも求められます。一年を通して多くの業務を抱えている医師の場合、この「自己研鑽」の時間をどう確保するかも非常に悩ましい問題となります。
ただ、医師がキャリアアップしていくためにも、高い医療水準を保持していくためにも「学会発表」や「専門医取得・更新」は避けては通れません。若い働き盛りの医師の場合、1000時間以上の時間外勤務をこなしながらも、専門医取得に向けての学会発表などのための「自己研鑽」の時間も捻出する必要がでてきます。
その場合は、当直等の業務量を減らし、「非常勤医師の補填」で賄うという方法が考えられるかもしれません。