新型コロナウイルス感染患者が急減してきました。コロナに感染したとき、同世代であっても重症化して集中治療室に入院する人もいれば、普段の風邪症状程度の軽症ですんだ人がいます。そこにはどんな違いがあったのか。日本、海外で明らかになった医学的エビデンスから明らかにする。

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コロナ感染で重症化するのはどんな人か

日本中を震撼とさせた新型コロナウイルス感染症(以下:コロナ)の第4波、第5波も、ワクチン接種者数の増加効果もあってか、何とか終息に向かい、少しずつ平時の状態に近づきつつあります。

 

一方で、万が一にこのコロナに感染した場合において、同世代であっても、重症化して集中治療室へ入院し、ECMOや人工呼吸器を使用せざるを得ないといった状況を余儀なくされてしまう人もいれば、普段の風邪症状程度の軽症で済んだ人がいます。そこにはどのような違いがあるのか、日本においても海外においても医学的なエビデンスが明らかとなっています。

 

単刀直入に言うと、若い年齢層ほど生活習慣病の管理状態の差があることが鮮明になってきました。実は、こういった違いは、昨年の3月といったかなり早期の段階から、中国・武漢での臨床データをはじめとする、世界中のさまざまな国において、医学的な検証がされ続けてきました。

糖尿病や生活習慣病のコロナによる重症化・死亡リスク

中国・武漢市でコロナ感染により肺炎を発症し、死亡した患者168例のデータを解析。その結果、死亡した75%が男性で、74.4%の症例にて1つ以上の併存疾患があり、内訳を見ると高血圧(50%)、糖尿病(25%)、虚血性心疾患(18.5%)の順に多いという結果でした。さらに、糖尿病群の死亡率が特に高く、糖尿病が無い群と比較して約1.5倍高値でした。(JAMA Netw Open 2020; 3: e205619)

 

今年に入り、日本国内において、厚生労働省を中心にCOVID-19重症化リスク因子(慢性閉塞性肺疾患、糖尿病、脂質異常症、高血圧症、慢性腎臓病、悪性腫瘍、肥満、喫煙、免疫抑制)を保有するCOVID-19患者の致死率について、今年4~6月のデータを集計し、年齢階級別(65歳以上、50~64歳、40~49歳)に解析されました。

 

すると、どの年代においても慢性腎臓病が独立したリスク因子として示されました。

 

また、特に50~64歳では、慢性腎臓病12.2倍、悪性腫瘍4.6倍、肥満3.6倍、男性3.5倍、糖尿病3.6倍と、何かしらの基礎疾患を持っている人が非常に重症化リスクの高いことが明らかとなりました。【図】

 

※ 新型コロナウイルス感染患者322,007人のうち、各重症化リスクの有無の入力有りの者を解析対象 「第49回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」(厚生労働省に対し、新型コロナウイルス感染症対策推進に必要となる医療・公衆衛生分野の専門的・技術的な助言を行うもの) https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000823697.pdf
【図】新型コロナの各重症化リスク因子の有無における致死率※

 

※ 新型コロナウイルス感染患者322,007人のうち、各重症化リスクの有無の入力有りの者を解析対象 「第49回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」(厚生労働省に対し、新型コロナウイルス感染症対策推進に必要となる医療・公衆衛生分野の専門的・技術的な助言を行うもの) https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000823697.pdf

 

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地方の病院は「医師の働き方改革」で勝ち抜ける

地方の病院は「医師の働き方改革」で勝ち抜ける

佐藤 文彦

中央経済社

すべての病院で、「医師の働き方改革」は可能だという。 著者の医師は「医師の働き方改革」を「コーチング」というコミュニケーションの手法を用いながら、部下の医師と一緒に何度もディスカッションを行い、いろいろな施策を…

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