「耐震性」片面ばかりが強いと…
ポイント 耐震性をアップさせる「耐震補強工事」
建物の耐震性を測定する耐震診断。これは、建物の各階および各方向の壁面の強さを数値化することによって行います。
耐震診断を行った結果、耐震性が不足しているとなれば、補強工事が必要です。これは、診断で見つけ出した弱い壁面を、筋交や構造用合板などを使って補強する工事のことです。耐震性とは、建物全体の強さのバランスだと考えていただければよいでしょう。
たとえば、建物1階の北側の壁面の評点が1.6だとしても、反対側の南側の壁面の評点が0.9だとすると、片面ばかりが強いことからくるバランスの悪さで、耐震性が低くなってしまいます。逆に、北側が1.2であっても、南側が1.1であればバランスがよく、耐震性は高いことになります。
本来は、評点の数値は大きいほどよいのですが、片方ばかりがよくてもバランスがとれていないため、トータルとしての耐震性は低くなるのです。
こうした場合、耐震補強工事は、各階の各壁面の強さのバランスを考慮しながら補強工事を進めなくてはなりません。