地震大国日本で住宅購入の際に留意したい「耐震性」。本記事では、耐震性を左右する「耐力壁」について見ていきます。

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バランスよく配置していない場合は…

建物の強さを表す指標となる住宅性能表示の中にある耐震等級において、建築基準法レベルの耐震性では、3段階の中のいちばん下(等級1)です。ちなみに、建築基準法の1.25倍の強さが等級2、1.5倍が等級3となっています。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

耐力壁は、壁一つひとつの強さだけでなく、全体としてバランスよく配置されていることも重要です。四角形の部屋の場合はコーナーに配置し、上階と下階の耐力壁の位置もそろっていたほうが、揺れからくる力が均等に伝わります。

 

もし、バランスよく配置していない場合はどうなるのでしょうか。

 

建物には外から力がかかると、回転しようとする力が働きます。このときに、耐力壁の位置と強さのバランスがとれていないと、ねじれや変形を起こして倒壊につながってしまいます。

 

もうひとつ知っておきたい言葉に、「偏心率」があります。偏心率とは、強さのバランスがどれくらい偏っているかを数値化したものです。

 

建物の重さのバランスがとれる位置=重心と、外からの力を受けて回転しようとするときの中心=剛心。この2つの位置が離れているほど、回転しようとする力が大きくなり、揺れが大きくなるバランスの悪い建物だといえます。

 

現在の建築基準法では、木造住宅では偏心率が0.3以下であるように規定されています。しかし、それでは想定外の揺れに対応できません。住宅診断を行う専門家としては、0.15以下となるようにしておくことをおすすめしています。

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    本記事は、2015年6月25日刊行の書籍『こんな建売住宅は買うな』から抜粋したものです。その後の法律・条例改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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