相続税の基礎控除額が引き下げられ、課税対象となる被相続人が増えた結果、「資金が足りずに税金が払えない」という人が急増しています。このような事態を避けるには生前からの相続対策が必要不可欠です。しかし資金調達のため不動産を売ろうとしても、そこには思わぬトラブルが……。

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なんと!アパート建築業者が現れ衝撃の一言

◆幸運の女神がAさんに微笑む

 

しかし、そこから思わぬ形で、幸運の女神がAさんに微笑み始めました。あるアパート建築業者が現況のままで1億円で買ってもいいと申し出てくれたのです。

 

そのアパート業者は、「地面に基礎を打てるのなら問題ない、大きなコンクリートがあるわけでもなくゴミの上に土が2メートル埋まっているのなら大丈夫、地下水に化学物質が含まれていても表層よりだいぶ深いところであり、井戸を掘るわけではないので関係ない」というスタンスでした。こうして、土地は無事1億円で売ることができ、Aさんは納税資金を確保することができました。

 

この売却案件をサポートしていた私も最終的に話が決まったときには、心から「本当によかった」と喜びました。

 

最悪の場合、土地が売れても一銭にもならず、それどころか諸費用を入れたらマイナスになってしまうおそれがあったのです。それが、1億円を得ることができたのですから、Aさんはまさに「地獄から天国」へ駆け上がるような気持ちだったでしょう。このような理想的な結果となったのも、Aさんが相続を意識して早くから余裕をもって不動産の売却を進めていたからなのです。

 

もし、相続が発生してから土地の処分に動いていたら、他に選択肢はなく建て売り業者に不承不承売らざるを得なかったかもしれません。そのような意味で、このAさんのケースは「相続税対策は早め早めの準備が何よりも大事である」ことを雄弁に伝えてくれる格好の例といえるかもしれません。

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「相続破産」を回避する地主の生前対策

「相続破産」を回避する地主の生前対策

加瀬 義明

幻冬舎メディアコンサルティング

2015年1月から実施された相続税増税により、「資金が足りずに税金が払えない」「不動産を手放すしかない」という人が急増しています。 不動産の売却によって納税資金を用意できればいいものの、「隣地との境界問題が解決でき…

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