地盤調査で「厚さ5mに及ぶゴミの層」の存在が判明
Aさんは、相続税の資金を事前に用意しておくことを考えて、神奈川県横浜市に所有していた不動産を建て売り業者に売却することを決めました。駐車場として使っていた土地であり、広さは約600平方メートルになります。
しかし、売買交渉を進めていく中で、大きな問題が発覚しました。念のため、地盤調査を行ったところ、地面の中から大量のゴミが見つかったのです。具体的には地上から2メートル下の場所に、プラスチックやビニール、木の破片、小さなコンクリート片などが埋まっていました。しかも、その〝ゴミの層〞は厚みが5メートルにも及んでいました。なぜ、これほどの量のゴミが埋められていたのか――。
もともと、その一帯は大手私鉄会社によって新興の住宅地として開発されてきた場所であり、造成する際に土地の高低差を解消するために、大量のゴミでかさ上げされていたのです。今では考えられないことですが、昔はこうしたことがごく当たり前のように行われていました。いずれにせよ、そのままの状態では売るのに差し障りがあります。
すべてのゴミを取り除くために、どのくらいの費用が必要となるのかを試算したところ、多く見積もって5000万、6000万円はかかることがわかりました。一方、建て売り業者に、「ゴミがない状態でいくらで購入してくれるか」と尋ねたところ、1億5000万円という返事が戻ってきました。