グルメサイトの予約キャンセルのある特徴
日々、仕事柄、様々なキャンセルや解約関連に携わる仕事をしているのですが、今回の記事はグルメサイトの予約キャンセルのちょっと変わった特徴や意外な点をご紹介させていただきます。
先月11月にGo To Eatキャンペーンが終了しました。コロナで落ち込んだ飲食店に元気をとのことで、国の施策として2020年10月1日に始まりましたが、2カ月足らずで予算に到達し、幕を閉じました。
全国の都道府県で発行されたプレミアム付食事券と合わせて大手のグルメ予約サイト上での実施でしたが、「無限くら寿司」などといった言葉がでてきたように、予約系のグルメサイトではかなり盛況であったことは皆さんも記憶に新しいことでしょう。
飲食店の「予約キャンセル」という行為は、実はこのグルメサイト上では日々大量に発生しています。
ただ、そこにはサブスクや通販の定期コースなどとは違い、契約行為のほとんどに金銭の支払いが発生していません。そうなるとキャンセル希望者は、申し訳ないという気持ちを持ってキャンセル処理を行います。
一方、一般的なサブスクや定期通販は、サービス開始から課金が発生しており、長い間支払いをしてきた利用者の解約には、クレームや不満を訴え解約することも多く、中には辛辣な言葉を残して解約する方もいらっしゃいます。ただ、グルメサイトからのお店の予約キャンセルでは、そのような傾向は一切見受けられません。
加えて、課金のあるサブスクや通販の解約ページに設置してあるチャットボットの接触率(解約ページ訪問に対してのチャットボットを利用する率)は、25%から45%が通常ですが、グルメサイトにおいては約80%近い数字にまで跳ね上がります。また、話の流れの中で選択肢から自由記入に切り替わる部分では、自由記入への書き込み率は約87%と非常に高い結果が出ています。
DX、デジタルコミュニケーションが進み、顔色や感情が分からなくなり、希薄さやモラル低下のような印象を受けるネットの世界ではありますが、このような数字を見ると、人はまだまだキャンセルに対して申し訳ないという気持ちを持ち、お店に迷惑をかけてしまっているという認識があることが分かります。もちろん、ごく一部は悪意を持ち、何とも思わない人もいるでしょうが、実際にチャットボットに書き込みをしてくれる半分以上のデータは、好意的な内容になっています。