何か依頼しようと思い、調べてみると業者によって大きく値段が違った…。このような体験をしたことがある方は少なくありません。そのなかでも「ゴミ屋敷の特殊清掃」は特に価格幅が大きく、利用者を困惑させています。本記事では、ダイヤモンドプリンセス号の除染作業に従事した、特殊清掃のプロ集団である「特掃隊」の連載「HOW TO コラム」より一部を抜粋し、なぜゴミ屋敷の清掃費用が二極化しているのか、解説します。

ゴミ屋敷の清掃費用が二極化…一体なぜ?

ゴミ屋敷の清掃を依頼する際、費用を調べてみると、1万円~50万円以上と、その費用にかなり幅があります。

 

「期間限定 夏の格安プラン」「最安値でご提供 大清掃キャンペーン」など文句を謳い、1万円台からのサービス提供を掲げる業者もあれば、間取りや作業人数によって金額が異なるものの、最低料金も8万円から50万円以上の見積もりになる業者もあります。

 

どの業界にも相場があり、そこからサービス内容によって多少の違いがあるものですが、価格幅が大きいのがゴミ屋敷などの特殊清掃の業界です。

 

価格幅が大きい理由とは…(画像はイメージです/PIXTA)
価格幅が大きい理由とは…(画像はイメージです/PIXTA)

特殊清掃は、他の業界に比べ開業のハードルが低い

なぜ同じ依頼内容なのに、費用にここまで差があるのでしょうか。その理由として、「開業のハードルの低さ」「無許可で営業している」ことが挙げられます。また、

 

「資格なしで誰でもできる」

「身ひとつ、軽トラひとつ、資本金いらずで始められる」

 

このように考えて仕事を始める方がいるため、特殊清掃業者が年々増えています。家の掃除ができるなら、ゴミ屋敷だって片付けられるだろうと安易に考えている可能性が高いです。そして、他社より少しでも安い価格で設定することで、自分のところに依頼してもらおうと考えています。
 

簡単にできて、収入もいい。そのように考えて安易に開業する業者ほど、格安な料金プランを提示していると考えられます。

無許可業者が存在している

資格いらず、楽に始められて稼げると思われがちな特殊清掃業ですが、実はこれは大きな間違いです。

 

ゴミを処分するには「一般廃棄物収集運搬業」という家庭ゴミを片付ける許可が必要になります。各市町村から認可を受けることになるのですが、廃棄物処理法に基づき、一定の要件を満たす必要があるため、取得するのが難しいです。

 

市町村によっては、新規申請を受け付けてないところや、受け付けていても限定付きの許可を出している場合もあります。

 

一般家庭から出る廃棄物は、すべて一般廃棄物になります。そのため「一般廃棄物収集運搬業」がなければゴミを運搬し、処分することはできません。

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