同じ「中古販売」でも歴然の差…「メルカリのB/S」はどちら?

ビジネスパーソンの必須スキルの1つ、「会計」。ビジネス上で必要な数字を活用することは、実は「決算書を読む」というスキルでほぼ全て得ることができるという。前回の記事『退職金まで判明…!? 10分でわかる貸借対照表(B/S)の読み方』では、貸借対照表(B/S)の基本的な知識を解説した。今回のテーマも引き続き「B/S」。基本的な知識をもとに、実際の会計クイズに挑戦してみよう。※本連載は、大手町のランダムウォーカー氏の著書『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集したものです。

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この記事の登場人物

イラスト:わかる
本記事の登場人物 イラスト:わかる

 

大手町のランダムウォーカー(大手町さん):

TwitterやInstagramなどのSNSで実在する企業の決算書をネタにした「会計クイズ」を開催している謎のクマ。会計と企業のビジネスを結びつけて分析することが大好きで、やたらと楽しそうに問題を出し、解説する。

 

学生くん:

就職活動を間近に控えた大学3年生。就活を有利に進めたいと考えており、簿記2級の取得を目指し、また、企業のIR情報や決算書も読めるようになりたいと前向きに努力している。ビジネスにはそれほど詳しくないものの、最新のサービスには若き知見を発揮する。勘が鋭い。

 

営業さん:

とあるメーカーで営業として活躍中。新卒入社してから数年、現場の最前線で働いており自社の商品・業界については理解を深めている一方、「経営」や「会計」についてはチンプンカンプンなところに課題を感じている。いずれ管理職になることも視野に入れ、知識を深めたいと考えている。

 

投資家さん:

「会計クイズ」が話題になっていると聞いて勉強会にやってきた、株で生計を立てる個人投資家。企業の「ビジネス」を最もよく理解していて、バラバラの意見を串刺したり、要点をまとめたりしてくれる頼もしい存在。

 

銀行員さん:

新卒から銀行員ひと筋で、企業の「数字」を読むことは、参加者中、最も得意としている。ただ、今後はより「数字とビジネスを結びつけて理解できる」ようになりたいと思っている。真面目で一本気な性格。

「どんな資産を持つ企業なのか?」に着目

前回の記事『退職金まで判明…!? 10分でわかる貸借対照表(B/S)の読み方』では、貸借対照表(B/S)の基本的な知識を解説しました。今回は基本的な知識をもとに、実際の会計クイズに挑戦しましょう。

 

まずは身近なところから、「メルカリ」と「ブックオフ」という2つの企業の貸借対照表(以降、B/S)から比較問題を出しましょう。比べてみると、資産に大きな違いがあることがわかるはずです。これは両者のビジネスモデルの違いによるものですが、難しいことは考えず、まずは問題を見てみましょう!

 

Q. メルカリの貸借対照表はどちらでしょう?(図表1)

 

(C)OTE_WALK 2020
[図表1]メルカリのB/Sはどちらでしょう? (C)OTE_WALK 2020

 

【今回の登場企業】

●メルカリ

アプリによる個人間の中古商品取引サービスを提供。電子マネーにも参入。

 

●ブックオフグループHD

業界のタブー「立ち読み」からシェアを伸ばす。古本以外の中古事業も。

 

大手町さん:

――「さて、さっそく会計クイズにチャレンジしてもらおう! ①と②のうち、どちらがメルカリのB/Sだろう? 理由も考えてみてほしい。」

 

学生くん:

――「パッと見ですけど…②がメルカリなんじゃないかな?って気がしますね~。IT企業って固定資産少ないじゃないですか? パソコンさえあれば仕事できちゃうし。」

 

営業さん:

――「すごいね、そんなところから見るんだ(笑)。私は①と②を比べたとき、明らかに②の方が流動資産が大きいことが気になったかな。」

 

投資家さん:

――「俺も②だな。ブックオフは在庫を大量に抱えてるし、倉庫なんかの存在も固定資産が大きくなりやすい原因だよね。」

 

大手町さん:

――「みんな②が多いみたいだね? じゃあどうしてそう思うのか、もっと理由を掘り下げてみようか。」

「商品」は「流動資産」だが…メルカリの出品物は?

<流動資産から考える>

 

学生くん:

――「僕、さっき営業さんが言ってた流動資産って、いまいちよくわかってないんですよね~。イメージしづらいっていうか…。」

 

銀行員さん:

――「流動資産は大きく分けると『現金』『売上債権』『棚卸資産(商品)』が中心になるよ。メルカリの場合だと、流動資産の中にはどんなものが含まれるんだろう? 恥ずかしながら、まだメルカリを利用したことがなくて…。」

 

営業さん:

――「メルカリは個人間で、自分の売りたいと思ったものをオンラインで売買できますよね。この、出品されている『商品』ってB/Sに含まれるんですかね?」

 

投資家さん:

――「いや、出品はされてるけど、商品はあくまでユーザーが持っていて、メルカリが持ってるわけじゃない。だから、メルカリの資産には含まれないはずだな。」

 

学生くん:

――「メルカリは基本的にユーザー間のやり取りの場を提供して、手数料を取ってるビジネスってことっすよね? なんかそう言われると、ブックオフって在庫の本がたくさんあるから流動資産が多いんじゃないかって思えてきちゃうんですけど。②がブックオフ説も考えられます?」

「店舗」は「固定資産」だが…メルカリは実店舗なし

<固定資産からも考えてみる>

 

銀行員さん:

――「ところで、さっき最初に学生くんが『IT企業は固定資産が少ない』って言っていましたけど、ブックオフは全国に店舗がある一方で、メルカリは全てがネットで完結するから、リアル店舗がないということですよね?」

 

大手町さん:

――「そうだね。パソコンさえあればというのは極論だけど、少ない資産でも売上を高くあげることができるのがIT企業のポイントだ。」

 

投資家さん:

――「大型の資産などがなくても売上を高く上げられるから、そもそもB/Sが小さくなるんだな。相対的に流動資産が大きく見えるだけかもね。」

 

学生くん:

――「よし、じゃあやっぱり②がメルカリで!」

 

大手町さん:

――「正解! ②がメルカリだよ。」

 

(C)OTE_WALK 2020
[図表2]正解は…選択肢②がメルカリ (C)OTE_WALK 2020

 

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Twitterフォロワー数6万人超。公認会計士試験合格後、大手監査法人勤務を経て独立。「日本人全員が財務諸表を読める世界を創る」を合言葉に「大手町のランダムウォーカー」として「#会計クイズ」を始め、様々な業種・立場の人をネット上で巻き込み好評を博す。初の著書『世界一楽しい決算書の読み方』は、たちまち紙・電子累計で10万部を超えるベストセラーとなった。

現在は株式会社Fundaにて「#会計クイズ」を運営するほか、企業研修やコンサルティング業務も行っている。

株式会社Funda:https://www.funda.jp/
Twitter:【#会計クイズ】大手町のランダムウォーカー(@OTE_WALK)

著者紹介

連載クイズ×会話でビジネス戦略が見えてくる!世界一楽しい決算書の読み方

会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方

会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方

著:大手町のランダムウォーカー

イラスト:わかる

KADOKAWA

決算書は最高にシビれる“謎解き”だ! クイズ×会話で、数字に隠されたビジネス戦略が見えてくる。   「入門書を何冊も買って読んでしまう」「何回読んでも、なんとなくしかわからない」。なぜ決算書は「難しい」と感じる…

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