メルカリの「キャッシュ・フロー計算書」はどちら?
キャッシュ・フロー計算書に関わる企業活動は、「営業C/F」「投資C/F」「財務C/F」の3つです(前回の記事『キャッシュフローにかかわる「3つの活動」とは?』で詳説。関連記事参照)。
絶対的ではありませんが、C/Sについては営業C/F、投資C/F、財務C/Fの3つの動きの組み合わせによって、会社がどのフェーズにいるのかを把握できる場合があります。今回はC/Sを用いた簡単な財務分析をやってみましょう。
突然ですが、問題です。図表1はメルカリと楽天のC/Sです。
Q. メルカリのキャッシュ・フロー計算書はどちらでしょうか?(図表1)
正解は本記事の最後で紹介します。本記事を読み終えれば、必ず解けるようになります。
「C/Sのパターン」から経営状況を分析
C/Sは3つの活動でそれぞれがプラスorマイナスの値を取るので、全部で6つのパターンがあります。
C/Sを見る際には、「各活動によるキャッシュ・フローがどのような状態なのか」「3つを合わせると上記のどの形になるのか」を考えながら見ていくことで、企業の状況の大枠を把握することができるようになります。
「キャッシュ・フローの形」、6パターンを解説
それぞれ6つのパターンを紹介します。
【パターン① 健全型のキャッシュ・フロー】
企業があるべき姿の1つです(図表3)。本業で得た資金を、投資や借入金の返済に充てている状態です。
【パターン② 積極型のキャッシュ・フロー】
事業拡大フェーズの企業に多いキャッシュ・フローです(図表4)。本業で得た資金を投資に回す一方で、足りない分を借入金等によって賄っている状態です。
【パターン③ 改善型キャッシュ・フロー】
事業を縮小しようとしている企業に多いキャッシュ・フローです(図表5)。本業で得た資金に加え、固定資産等の売却で得た資金なども活用して、借入金の返済等を行っている状態です。投資活動が行われていない状態なので、事業が縮小していくことがわかります。
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