ビジネスパーソンの必須スキルの1つ、「会計」。ビジネス上で必要な数字を活用することは、実は「決算書を読む」というスキルでほぼ全て得ることができるという。前回の記事『収益の努力から企業の実力までわかる…実はシンプルな「P/L」』では、損益計算書(P/L)の基本的な知識を解説した。今回のテーマも引き続き「P/L」。基本的な知識をもとに、実際の会計クイズに挑戦してみよう。B/SやC/Sに比べて理解しやすい人が多いが、表面的な数字だけを見ると誤った理解をしてしまうのでご注意を…。※本連載は、大手町のランダムウォーカー氏の著書『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集したものです。

「表面的な数字」からは見えないビジネスの実態

今回の会計クイズで取り上げるのは、誰もが知る大手小売チェーン3社です。ただ、ここが落とし穴でもあるというのが、今回のテーマです。みなさんが普段持っている「企業のイメージ」と「実際のP/L」は、きちんと中身を見てみると全く異なることがあるのです。では、見てみましょう!

 

Q. セブン-イレブンの損益計算書はどれでしょう?(図表1)

 

(C)OTE_WALK 2020
[図表1]セブン-イレブンのP/Lはどれでしょう? (C)OTE_WALK 2020

 

【今回の登場企業】

●ブックオフグループHD

中古品を顧客から買い取り店頭やネットショップで販売。

 

セブン–イレブン・ジャパン

店舗数日本一のコンビニチェーン。

 

キャンドゥ

生活雑貨や食品などを販売する100円均一チェーン。

食品系が多いセブン-イレブン…原価率が高いのでは?

<商品から考えてみる>

 

投資家さん:

――「まずは、それぞれの商品の特徴から考えてみる?」

 

営業さん:

――「そうですね。キャンドゥは…私もよく使いますけど、100円均一で商品の単価が決まっているから、商品の値段があげられない分、原価率を下げることで利益を出そうとするんじゃないかな…と思いました。」

 

銀行員さん:

――「セブン–イレブンは色々売っていますが、お弁当などの食品系が多い印象ですよね。食品は原価率が3割などと聞いたことがあるので、原価率が高くなるのではないかと思います。」

 

学生くん:

――「ブックオフは古本とか中古品を顧客から仕入れて売っているわけですよね。極端な話ですけど、たとえば10円で引き取ったものを250円で売れば原価が小さくなるんじゃないですかね。もちろん顧客の信用度にかかわるので、そんなことはあまりしないと思いますけど。」

 

投資家さん:

――「今みんなが言ってくれたのが原価率の話だったから、売上原価の占める大きさから判断してみるか。」

 

学生くん:

――「売上原価が明らかに小さいものがありますね。この②がブックオフじゃないですか?」

人件費や水道光熱費…24時間営業は「販管費」がかさむ

販管費から考える

 

銀行員さん:

――「②がブックオフと仮定した場合、①か③がセブン–イレブンでしょうか。」

 

投資家さん:

――「販管費の違いから考えたらどうかな?」

 

学生くん:

――「…販管費って何が含まれるんでしたっけ?」

 

投資家さん:

――「人件費とか、店舗の水道光熱費とかだね。」

 

営業さん:

――「セブンは店舗もたくさんあるし…24時間営業の店舗がほとんどだから、従業員のお給料とか、水道光熱費とかがたくさんかかりそうですね。」

 

銀行員さん:

――「そう言われると、①か③なら③がセブン-イレブンのような気がしますね。」

 

投資家さん:

――「(うーん…でも、②がブックオフだとして、こんなに営業利益が出るって、どういうことだ…? 小売だよなぁ)」

 

学生くん:

――「大手町さん! ③がセブン-イレブンです!」

 

大手町さん:

――「残念! 正解は…②でした!」

 

(C)OTE_WALK 2020
[図表2]正解は選択肢②がセブン-イレブン (C)OTE_WALK 2020

 

学生くん:

――「②!? 嘘だー! なんでこんなに原価率低いんすか!?」

 

営業さん:

――「商品の種類も廃棄の回数も多いし、セブン-イレブンの原価率はすごく高そうなイメージでした…。」

 

大手町さん:

――「この問題は間違える人も多いんだ。」

 

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