コロナの影響で、ニュージーランドの不動産会社でも、物件管理にリモートを活用する機会が増えました。今回賃貸物件の確認のためにワイカト地方を訪れたのは、なんと1年半ぶり。街の様子が気がかりでしたが、そんな心配を裏切って、牧草地だった場所に住宅が立ち並び、地元不動産会社も増え、街は活気にあふれています。不動産価格も右肩上がりです。※本記事は、オークランド在住で不動産会社を経営する著者が、現地でしか掴めない不動産事情をレポートします。

約1年半ぶりに、ワイカト地方・テアロハの街へGO!

ニュージーランドでは2018年10月から法令が変わり、外国人による中古物件の購入ができなくなっています。以降、筆者の会社でも外国人への中古物件仲介は中断しています。また、コロナ禍の影響で、賃貸運営は現地管理マネージャーに託し、オークランドからリモートで報告を受けている状況です。

 

そのため、オークランド―ワイカト間の往来はほぼ中断されており、ワイカトへ行くチャンスも、なかなかありませんでした。

 

しかし今月、約1年半ぶりにテアロハの街を訪れました。

 

懐かしい道中、国内ならどこにでも広がっている牧草地の風景を眺めながら、途中の街、モリンスビルのミルク工場に向かうトラックとよくすれ違っていたこと、大雨の日には大量の水しぶきをかけられ、少々怖い思いをしながらドライブしていたことなどが、鮮明に思い出されました。また、よく訪れていたカフェで、お客様とともにニュージーランドらしい肉料理やワインを楽しみながらランチしたことも…。新緑も鮮やかで、車中からもワイカト地方の空気を満喫しました。

 

 

 

テアロハの街に到着したとたん目に飛び込んできたのは、街のシンボルである時計台と赤い橋、そしてそびえる山の景色。

 

早速、賃貸運営している物件や、その近所周辺を車で走ると、驚いたことに、開発がどんどん進んでいます。駅前には家が立ち並び、牧草地だったところはオークランドと同様、宅地造成がなされています。

 

 

そしてなんと、不動産売買仲介の会社も増えています。以前は、HarcourtsとProperty Brokersの2社がほぼ独占していましたが、仲介に特化した不動産会社も加えると、現在は7社あるとのこと。これらは、この数年で不動産売買のブームが起きているという証左でもあります。

 

われわれがこのテアロハの街に注目しはじめた2015年当時、3LDKの家は35万~40万NZドル台でした。30万NZドルでも古めの家が買えましたし、新築の家でも50万NZドル前後だったのです。しかし現在、平均的な家の価格は50万NZドル前後となっています。新築は60万NZドル後半から70万NZドルへと上昇しています。

 

ワイカト地方の平均価格は68万NZドル台ですが、これは、ハミルトンのセントラルやケンブリッジなど新興住宅街が増えたことで、平均値を上げているのだと考察しています。

 

日々、データやウェブサイトの映像を見ながら価格推移をウォッチしていましたが、現地に出向き、なにもなかった場所に新築の家が林立し、商店街には複数の不動産会社の看板が並び、コロナの影響にもまったく動じていない、活気あふれる街の様子を見て、この地を投資先として皆さんにご紹介したことに間違いはなかったと確信しました。

 

販売スピードですが、以前は、オークランドのような「オークション売り」はなく、売買成立も3ヵ月かかることもざらで、オークランドと比較するとかなり遅かったのです。しかし現在は、オークション販売も利用するようになり、売買のスピードも、いい家だと複数の買い手が現れ、数週間で売れることもあるとのこと。現地のセールスマンからは、物件リストが足りないという声もあがっています。

 

オークランドからのリタイヤ先としてはタウランガが有名ですが、このテアロハのコンパクトで整った街並みに魅せられた「隠れファン」もまた多いようです。

 

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