※画像はイメージです/PIXTA

ニュージーランドではオークションによる不動産売買が一般的ですが、個人の売却希望者は、先行投資となる広告費などを理由に足踏みするケースもあります。しかし実際には、売る側にも買う側にも、多くのメリットがある方法だといえます。実例をもとに解説します。※本記事では、オークランド在住で不動産会社を経営する著者が、現地でしか掴めない不動産事情をレポートします。

桜咲く日本、紅葉色づくニュージーランド

この記事を執筆しているのは、4月3日から4月6日のイースター休暇の真っ最中です。2026年は4月5日の日曜日にサマータイムが終了。日本との時差は3時間となり、ニュージーランドはこれから秋・冬へと向かいます。

 

日本では春を告げる桜のニュースが流れるいま、ニュージーランドは、紅葉の時期へと移っていくのです。

 

庭のレモンも実りはじめ、黄色に色づくのを待ちわびています。スーパーに並ぶレモンは高額な輸入品ですが、たわわに実る自家製レモンを手にできる日が楽しみです。

コロナで半減した不動産セールスマン、開発ブームの今は…

筆者のようなニュージーランドの不動産セールスコンサルタントは、資格を持ち続けるために毎年20時間の教育を受ける必要があります。そのため、更新の時期である3月になると、継続・退職・長期休暇・リタイア…と、複数の選択肢を迷う時期でもあります。筆者は継続を決め、無事に資格も更新しました。

 

1990年代から2000年代初頭は、不動産ブームによって多くのセールスマンが誕生しました。この時期は正直、誰でも家が売れる、というような時代でした。その後、リーマンショック、コロナの影響でセールスマンの人数は半減。開発ブームとなった近年は、セールスマン希望者が再び増えつつありますが、その一方で、マーケットの伸び悩みで去って行く人もいるため、人数の増減幅は大きく変わらないようです。

不動産の「オークション売り」のメリット

ニュージーランドの不動産物件は、豊洲市場の魚の競りのような形で販売されていきます。国際都市のオークランドでは、「オークショナー」といういわば司会進行係が、ひとつの職業として成立しています。

 

一般公開のオークションというスタイルは、物件所有者の立場になると、オークショナー代のみならず、広告費も必須と、何かと経費がかかります。「先行投資したくない」「売れればいいが、当日売れなければ、ご近所の手前恥ずかしい」といった、いろんな事情が頭をよぎり、足踏みしてしまう人も少なくありません。

 

しかし、セールスマンの立場からすると、オーナーには「最高値で買ってもらえますよ」「チャンスがあるので、オークション売りでいきましょう!」と強くお勧めしています。

 

 

最近取り扱った、あるオークションの実例をご紹介しましょう。

 

物件は、敷地とそこに建つ2ベッドルームの長屋が2棟。オーナーの最低落札価格は150万NZドル、日本円で1億3,950万円でした。

 

※ 1NZドル=93円で換算

 

オークション開始早々、5組の競り合いに。しかし、肝心の価格が思うように上がりません。90万NZドルからスタートして、100万NZドル、110万NZドル、そして、145万NZドル…と、ここまでは順調に上がりましたが、最低落札価格より低い価格でストップしてしまいました。

 

その時点で残ったのは3組。オーナーは、当初150万NZドルが最低といっていましたが、説得して、145万NZドルでも売る、との承諾を得ました。

 

そこでオークショナーは、「オン・ザ・マーケット!」と宣言。これは最低落札価格を超えた、という意味で、この先の金額で必ず買える、ということが残った3組に伝わった状態で競り合いを再開。

 

結果は、155万NZドル、日本円で1億4,415万円で売買が成立しました。

 

クローズドのオークションを選んでいなければ、おそらく130万NZドルくらいで止まっていたか、145万NZドルでオファーした1人との交渉で、売買成立で進んでいたのではないかというのが、筆者の肌感覚です。

 

不動産オーナーからすると、一般公開オークションで物件を競り合わせるのは、非常にメリットのある売り方なのです。広告費の先行投資さえ納得すれば、結果は売り手・買い手ともにハッピーエンドになります。

 

仮に希望価格まで達さなかったとしても、客観的な物件の価値を知ることができるため、売れるスピードが上がることは間違いありません。

 

買う方にすれば少々痛い出費ではあるものの、購入希望者が競り合うほど魅力的な家を手に入れたことの証左になります。その後、しっかり維持管理すれば、将来売却するときも人気が出る可能性が高いでしょう。

 

物件の売買を検討されている方は、オークションへのチャレンジも選択肢です。

イラン攻撃への懸念

イラン攻撃に起因する石油不足で生活に支障が多発しています。

 

オークランドでは、2NZドル台前半だったガソリン価格は3NZドルへと一気に上がり、一時は3.6NZドルまで値上がりました。3NZドルの壁が崩れるのはいつになるのかもわからないなか、車社会のニュージーランドでも日々の生活に影響が出ています。

 

平和で、安全な国として、スイス、アイスランドに次いで世界3位のニュージーランド。幸いにも現状は、大人たちは働き、子どもたちは学び、変わらぬ日常があります。この当たり前の生活を全世界の人が過ごせることを願い、万が一に備えた情報についても発信できればと考えています。

 

 

一色 良子
Goo Property NZ LTD 代表取締役社長
Harcourts 所属

 

 

 

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