勢いを失いつつあった不動産オークションだが…
昨年からNZ不動産のオークション売りが低迷しています。無条件で勢いよく家を買えない状況が目立つほか、銀行の融資査定に時間が割かれ、オークション日に間に合わない現象もしばしば見られます。
また、人々の住宅ニーズや購入希望の高まりに対しても、売り物件の数は決して多いとはいえません。移民数が多いオークランドではそれぞれのお国柄が反映され、住宅購入も比較的吟味する人が多いのです。最低でも10年、通常なら20年暮らす拠点を探します。
銀行金利が7%台から6%へと移行し、ついに5%台へと突入しましたが、現時点では4%台半ばの金利を出している銀行もあり、買い急ぐ人も増えています。とくに、個人投資家による投資用物件の需要が復活しており、不動産会社の営業担当者たちは、そんな投資家へアタックを続けています。
オークション売り、持ち直しの傾向へ
2025年12月に入ると、11月末より25.5%アップの477軒のオークションがオークランド内で開催されました。当日の成功率は約4割でしたが、オークション後、条件付オファーが出て、最終的にSOLDになる物件は、6割~7割にのぼりました。
過去、オークション売却のピーク時には8割もの高い成功率だった時期もあり、地域によってはすべての家をオークションで売却しているのではないかと思われるほど勢いがありました。
しかし、新型コロナの流行で事情は一変しました。オークションの司会進行を生業とするオークショナーたちのなかには、オークションの激減で業界を去る人も出てきました。しかし、特殊な仕事であることから、完全退職されてしまうとオークション売り復活時に困ってしまいます。そのため経営側は、彼らに「オークション売りのメリット」について不動産のセールスマンやエンドユーザー(=売主)へ伝授するセミナーや、買い手に向けてオークションへの参加方法を説明するセミナーに登壇させ、根気よく情報を普及させる時間を持ちました。
2025年の後半は、その活動の成果が見え始め、銀行金利低下も追い風となり、オークション売りは復活傾向となりました。
オークション販売、売主と買主それぞれの事情
日本人にとって不動産オークションはなじみがないと思いますが、新年恒例のマグロの初競りならご存じでしょう。まさにそのマグロが「家=住宅」になったものです。買い手は事前にある程度の相場感を調べ、セールスマンからも情報を聞き出し、当日の予算を備えます。当日、オークションの空気に飲まれ、予算を超えても挙手を止められず、そのまま購入へと進む人もいます。
一見矛盾するようですが、売主にはオークション売りをお勧めし、買い手にはその方の様子を見ながら、オークション売りの物件は避け、定価付け・価格交渉ができる物件へ導くこともあります。
売主にとって、オークション売りはこの上ないチャンスです。希望者が競り合って期待以上の高額で売れる可能性があるうえ、無条件での購入となるため、物件引き渡し日に家を引き渡す準備をするだけでよく、待ち時間がありません。契約書上の「物件引き渡し日」が精算日となります。
オークション以外の定価付け、価格交渉による売り方の場合は、条件付契約となるため、条件をクリアするための時間がかかります。それで成立すればいいのですが、解約になると、それまでの待ち時間が無駄になり、精算日が遠のくのです。
ただ、オークションもいいことばかりではありません。オークション向けの営業費がかかり、当日だれも手を挙げてくれなければ、世間に対してちょっと恥ずかしい思いもします。ご近所の目も気になるでしょう。とはいえ、家をしっかり片付けて、最良の状態でオークションに臨めば、買い手はつくものです。我々セールスマンは、当日の成立は難しくても、数週間で結果を出せるよう頑張るのです。
一方で「オークション売り物件を買うのはいやだ」「当日現場に参加しても、手を挙げる気はない」などと、頑なに挙げない、不思議な買い手の方もいます。
「手を挙げなければ買えないのですよ? 最後に挙がった金額で家主が同意すれば、契約成立です。どうしますか?」と声をかけても動かず、セールスマンのほうがあたふたしてしまいます。
残念ながら、当日はオークション不成立となったとき、手を挙げなかった方に「チャンスありますよ、この金額で購入できますか?」と声をかけると、それでも答えはNO。そこからさらに値切ろうとする買い手もいます。
やっかいですが家主様のため、短気を起こさず牛歩するがごとく両者を説得。そして、ようやく成立…。オークション利用ならではの短期売却法です。
ニュージーランド不動産、2月以降の見通し
住宅ローン銀行金利低下による購買熱の継続で、ホリデー明けの2月3月はスローながらも投資が動き始めることが予想されます。ビジネス年度が新年度となる4月以降は、景気回復を見込んで、物件売買が活性化する可能性があります。不動産が資産形成の中核となる国として、ここ数年の陰りから脱出できることを期待しています。
南太平洋、東南アジアから常に注目されているニュージーランドですが、近年では欧米各国からも注目度がアップしています。移民政策が進展を見せたことで、必然的に不動産の実需が増加し、なかでも高額物件や投資用物件の販売増加が期待されます。
一色 良子
Goo Property NZ LTD 代表取締役社長
Harcourts 所属
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