不動産価格の集計13年目にして、初の100万ドル越え
ついに、オークランドの不動産価格の平均値が100万ドルを突破し、100万3,575NZドルとなりました。いつもならこのデータは記事の最後にお伝えしていましたが、今月は、過去13年間のデータを取り出して初めて100万ドル越えとなったため、冒頭でお伝えしたいと思います。ちなみに、2019年同じ9月のデータでは、91万6,162NZドルでした。
オークランド中心地にも複数のコロナ感染者が出るなど、一部ではクラスターが発生し、スーパーやショッピングモールは店を閉め、消毒作業を行わなければなりませんでした。もちろん、我々のような不動産業者も同様で、物件の内覧時には神経を配り、注意を怠らないよう求められています。もちろん今現在も、訪問者の数をしっかり確認するとともに、常に念入りな消毒を行うよう努めている状態です。
しかし、決して不動産売買は止まっていません。購入を検討する人々は依然と同様、定期的なペースでやってきます。隣国のオーストラリアや、欧米に移住していたKIWI(ニュージーランド人)たちが故郷に戻って来ているほか、条件ギリギリで「投資家ビザ」を取得して移住する人たちが、家を購入・投資しているといった現状があるため、クリスマスを前に、ニュージーランドの不動産業界は活況を呈しています。
大変なスピードで売れていく「タウンハウス」
8月の記事、『NZ不動産、コロナ禍でも「高級新築物件」がバカ売れするワケ』でご紹介したHenderson地区のタウンハウスですが、全部で38戸のところ、10月5日時点で残数3戸となりました。条件付きオファーをしている方もいるため、5軒程度は解約の可能性があるものの、キャンセル待ちの方もいるため、売買が即決している状況です。とにかく大変なスピードなのです。
我々が決断を急ぐよう伝えると、ファーストホームバイヤーには「これだからセールスマンは…」と、セールストークを疑われてしまいます。そのような買い手は、「もうすぐ売れてしまいますよ、ご決断を!」と再三にわたって伝えても、決断してくれません。
仕方なく「もう、ホールドすることができないので解除します」と伝え、解除したとたんに別の買い手がオファーして成立。最初の方が「やはりオファーしよう」と決断したときにはもう遅いのです。そこでようやく、我々が強引に売却を迫っていたわけではないと理解することになります。
そういった方の多くは、2万ドル高い別のユニットにオファーを出してくれます。レイアウト、サイズが若干ことなるだけで、2万ドルの差…。その方々にとっては損をしたことになるのですが、そこは我々もしっかりフォローします。「2万ドルの差があるぶん、こちらのほうが条件はいいのですよ」と、お客様を慰めることもあります。
もちろん、そこに嘘偽りはありません。やはり、高いぶん条件はいいのです。ただし、2万ドル安いほうでも充分だったお客様にとっては、後悔の念はぬぐえないということでしょう。とはいえ、「売却するときには高く売れますよ」「ですから、前向きに考えて下さいね」と、言葉を重ねてメリット伝え、納得して買っていただけるよう努力しています。
ロックダウン中には、少し動きが止まっていましたが、8月に入り、我々は手持ちの約30戸の販売をしっかりとさばき、取引の完了を目指していきたいところです。