年明け早々から住宅内覧に詰めかける購入希望者たち
今年の事業計画を頭に置き、新規売り物件の確保をするために構想を練っていたのは、去年のクリスマスのあたりからだったでしょうか。
ニュージーランドの不動産営業マンは、売り物件を自ら確保します。一事業経営者として、個々のセールスコンサルタントは、日々アンテナを張り、営業するのです。もちろん、別のエージェントから物件担当のお誘いや、オフィス来訪によるお問い合わせといったリストアップも多少はあります。
さて、年末年始の挨拶を兼ねた営業レターをターゲットのオーナーに送ったところ見事にヒット。早速、面談による商談を開始しました。
タウンハウスを開発されている事業主で、昨年より建設、他社の手で販売しているものの、なかなか売れていないとのこと。これはチャンスとアプローチをしたところ、商談へと進むことになりました。オーナー自ら開発している物件で思い入れは強いのですが、マーケットは鈍化しており、ホリデーシーズンということも相まって売却が成立せず悩んでおられました。
1月に入り、ネット広告を開始したところ問い合わせがあり、新年早々に第一弾条件付契約が成立。この記事が出る頃には、SOLDのステッカーが貼れているのではと期待しています。
他社が数ヵ月営業しても売れないところ、約1週間で結果が出たことで、オーナー様の信頼度が高まり、別の物件リストも頂戴しました。
その後は内覧の嵐です。設定したオープンホームの日程では賄いきれず、二手に分かれてご案内しました。我々のリストを気に入ってもらえない場合は「では、この物件はどうか」と他社のリストを紹介し、内覧希望が出ると予約を取ります。
ランチをとる間もなくオークランド中を走り回り、エネルギーがなくなったら、ドライブスルーでバーガーを手に、ひたすら疾走。しかし、物件に到着すれば一転、優雅に新築のお家をご案内…。そんな繰り返しの毎日です。
不動産業界は、弁護士事務所も休みとなる1月中旬までが、ゆっくり休める唯一のチャンスです。しかし、それに関係なく速攻で動いて結果を出す。筆者の弟子で、業界経験わずか2年という若手に教わりながら、20年以上業界にいる私も汗をかいて営業活動しています。
家賃高騰のさなか…ファーストバイヤーの動きも活発化
決して、新規ビジネスがうまくいっているという自慢話ではなく、年末年始のホリデーに関係なく、常に買い手は動いているということを、ぜひ知ってもらえればと思います。
さすがにクリスマス時期は家庭サービスに専念しますが、元日が過ぎれば普通の日なので、そこは日本とは異なる生活習慣です。それゆえ、クリスマス前に家を探せなかった人たちは新年早々にリスト検索し、オープンホームを開催している限り、物件見学に足を運びます。買う予定がない人も、家に興味があれば「参考までに見に行こう!」ということで訪問するのです。
筆者が話を聞いたところ、90%がファーストホームバイヤーでした。カップルもいれば、きょうだいというケースも。家賃高騰のなか、住宅ローンが組める状況なら買った方が安上がりでもあり、将来の資産形成を目的に、購入希望者の動きが活発化しています。
ただ、初めて家を買う人のなかには、物件選択でなかなか決断ができない、という方も少なくありません。
そういった方には、譲れないポイントはどこなのかを見極めることが交渉の鍵となります。価格か、通勤などのアクセス面か、あるいはお子さんがいれば学区なのか…。
新築のタウンハウス開発が盛んないま、正直室内のデザインはほとんど同じような物件ばかりです。
昔ながらのニュージーランドの住宅は個性があり、広い敷地の一戸建てが主流でしたが、そのような家を買えるファーストホームバイヤーは限られており、中高年世代の、資金に余裕があり、中高生の子どもを持つ、学区を重視をする家族しか買えない時代になっているのです。
明日から即、投資運営も可能な物件も
内覧者のなかには、中年層の投資家も交じっています。住宅金利も下がり、まだ物件価格が上昇していない物件も数多くあるため、いまは購入のチャンスだといえるでしょう。とくにシティー中心からシティー近郊のアパートがおすすめとなっています。
お得な価格で販売している物件も多々あり、中古物件でも内装の状況が非常によい物件や、家具付き物件で明日から投資運営ができる物件もあります。
家具なしの物件でも、オークランドでは自ら家具を持ってシティー近郊へ引っ越すビジネスマンは少なくないので問題はありませんし、必要ならば不動産業者のサポートもあります。
ワーキングホリデーの人口も回復傾向で、賃貸物件を求める借り手の動きも活発化しています。
これらの状況を踏まえ、今後は次の4つの軸で物件を提案していきます。
●ファーストホームバイヤー
●中高年のグレードアップしたいファミリー
●住宅のダウンサイジングを検討するシニア世代
●資産形成を目的とする投資家
ニュージーランド不動産事情を理解するヒントになれば幸いです。
一色 良子
Goo Property NZ LTD 代表取締役社長
Harcourts 所属
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