コロナ禍でNZ経済停滞も、不動産業界は「例外」
早いものでとうとう12月に入り、今年も1ヵ月を切ってしまいました。3月には、新型コロナウイルスの蔓延によるロックダウンという、想像したこともない状況を経験し、観光業・留学産業を収益の大きな柱としている国として、被った損害は計り知れません。失業も増えるばかりで、各国との往来の制限が続いているいまも、経済復活の目途は立っていないというのが現状です。
しかしそのような状況にあっても、不動産業界には大変な勢いがあります。例年10月~12月にかけては不動産業の繁忙期です。我々も週末の「オープンホーム」を行いながら、新規の問い合わせや役所の手続き、営業広告の手配等をこなし、夜は夜で、「オークションナイト」を開催します。つまり、日夜勤務中です。おかげで、不動産業界に限っては「失業」という言葉はありません。むしろ、別の業界で失職してしまった方が続々と不動産業界に流入しています。「リクルートナイト」も盛況です。
失業された方のなかには、不動産販売だけではなく、それに付随する建物検査員の資格を取るなどして「家」に関する業種へ転業され、成功を掴んだ方も少なくありません。本当にたくましく、バイタリティにあふれています。
なぜ「例年以上に不動産の売買が盛ん」なのか?
しかし、なぜコロナ禍であえぐニュージーランドにおいて、不動産業界だけが活況なのでしょうか。その理由を下記にまとめてみたいと思います。
●銀行定期預金の金利が低下
預金金利が高いことでは有名な国。20年前は、12%という金利を誇っていましたが、徐々に下がり、コロナ勃発の初期までは、5%前後あったのが、急降下し、現在は、0.85%という預金金利になってしまいました。あまり現金を預金する国民性ではないのですが、流石にこれは、ショックは大きく、100万ドル単位の預金者は金利で生計を立てられていましたが、満たなくなったので、不動産賃貸運営へと移行されるようになりました。現在オークランドの賃貸純利益は、3%~3.5%得られます。
●住宅ローン金利が低下
このところは5.5%前後、そして4.5%と下がってきたのですが、現在は一気に2.5%前後で動いています。ファーストホームバイヤーを主に、借りやすい金利になったため、賃貸物件の居住から思い切ってマイホーム取得を考えるようになった層が増えました。そういった人々が住宅ローンの査定取得に殺到しています。
●移住していたNZ人の帰国ラッシュ
NZ政府のコロナ政策成功を受け、とくに欧米へ移住していたNZ人が安全な暮らしを求めて帰国する動きが起こっています。つまり帰国ラッシュです。その際、所有物件を持っていない人々は家探しから始めます。2週間隔離でホテル滞在を余儀なくされている人たちも、自由になれば住宅購入を急ぎますから、クリスマスを前にして一層のラッシュが起きています。
今年の年末年始のホリディーシーズンは、我々不動産業者は休んでいられません。自分も含め、従業員総出で仕事に追われることになるでしょう。そもそも海外旅行には行けませんから、やはり働くしかないでしょう。国内旅行は、クウィーンズタウンを中心に人気が出ています。恐らく、キャンプや釣りを各地で楽しみ別荘で過ごす方も多いことでしょう。
我々は、アジア人を中心に不動産を見学する方が多いと予測しています。日本と違いお正月行事がない国なので、もしかすると、新年早々からのオープンホームもありえるかもしれません。
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