「なかなか勉強しない子どもを見ていると、ついイライラして怒ってしまう」と悩む保護者は少なくありません。しかし、株式会社コペルの代表取締役、大坪信之氏は頭ごなしに「勉強しなさい」と命じたり、おしりを叩いてまで勉強させたりすることは、子どもの学力向上には繋がらないと述べています。今回は、子どもが進んで勉強したくなるために保護者がすべきことを解説します。

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努力に対する意識の違いが、成績の違いを生む

「あきらめずに努力できる能力」と「心のあり方」との関係について研究している、スタンフォード大学のキャロル・S・ドゥエック心理学教授は、もうじき中学校に入学する小学6年生の子どもたちを対象に、「心のあり方」と成績の関係を調査しました。

 

頭の良さは生まれつきだと思っているか、努力次第で頭は良くなると思っているかを尋ねて、「心のあり方」を判定しました。そして、その後2年間にわたって、生徒たちの成績や行動を追跡調査した結果、ひとつの結論を導き出しました。

 

その調査で成績が落ちたのは、最初の「心のあり方」の評価で、頭の良さは生まれつきだと考えていた子どもたちでした。中学入学直後から成績が下がりはじめ、2年間にわたって、徐々に着実に低下していったそうです。

 

一方で、努力次第で頭は良くなると考えていた子どもたちは、2年間ずっと成績がアップし続けました

「努力をすることで能力は伸びる」と思うことが重要

頭の良さが生まれつきだと考えていた子どもたちは、成績低下の理由を「数学が苦手だから」と自分の能力をなじったり、「先生の教え方がうまくないから」と責任を転嫁したりする傾向がありました。

 

それに対し、頭の良さは努力次第と考えていた子どもたちは、同じような不安のなかで、全力で課題と向き合ってやるべきことから逃げずに勉強に励んだのだといいます。

 

「努力次第で能力は伸びる。自分にはそれだけの潜在能力があるのだから」という「心のあり方」を持てるようになるためには、認めて褒めてあげることが不可欠ですが、能力のみを褒めることは、逆効果になるそうです。

 

「努力をすることで能力は伸びる」と自ら思うことが重要
「努力をすることで能力は伸びる」と自ら思うことが重要

「頭がいい」と褒めるのは逆効果になることも…

数百人の子どもたちを対象に行なわれた実験では、「頭がいいのね」と能力を褒められたグループは、新しい問題にチャレンジするのは避けて、簡単にできる問題しかやりたがらなくなってしまいましたが、「頑張ったのね」と努力を褒められたグループは、約9割の子どもたちが新しい問題にチャレンジする方を選びました。

 

次に、なかなか解けない問題を出されると、能力を褒められたグループはおもしろくないと答えるようになりましたが、努力を褒められたグループはむしろ、難しい問題の方がおもしろいと答える子どもの方が多いという結果になりました。

 

最終的に、能力を褒められたグループの成績は下がり、努力を褒められたグループの成績は上がったのです。

 

努力すれば能力が上がるんだということを子どもに伝えて、潜在能力のスイッチをオンにしてあげましょう。

 

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