「絶対音感」が身につく、一生に一度の機会
【聴覚】
子どもの聴覚は大人の数倍敏感です。ヘリコプターの飛ぶ音に、大人よりもはるか前から気がついたり、掃除機の大きな音に耳をふさぐなどはその一例です。一生に一度しかこない「聴覚の敏感期」を大切にしてあげましょう。
■絶対音感ゲーム(3歳から)
「絶対音感」は2~6歳に適切なレッスンを受けないと身につかないと言われます。この期間に人間の聴力が急激に発達するためで、まさしく「敏感期」と一致しています。専門のレッスンを受けなくても、ピアノなど、音程が示せる楽器があれば、単音を聴かせて「高い音・低い音」の比較ができます。
発展形として「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」のカードを用意し、ピアノの音を聞かせてカードで当てるゲームはご家庭でも簡単にできます。
カラオケの普及により、誰でも1曲くらいおつき合いで歌わなくてはいけない時代になってしまいました。幼少期に身についた「音程」は一生ものですので、この時期にゲーム感覚で楽しく身につけておきたいものです。
自制心が向上する「静粛のレッスン」
■静粛のレッスン(4歳から)
モンテッソーリ園での重要な活動に「静粛のレッスン」があります。走り回ったり、大きな声を出すことは、子どもは得意です。
しかし、一定時間、静かに座ったり、声を出さなかったりするのには「自分を律する」エネルギーが必要なのです。
このレッスンの間は静かに席に座り、声を出さない、もしくは小さな声で話します。
1分間、目をつむり視覚をさえぎり(感覚の孤立化)、声を出さないと、今まで聞こえなかった様々な音が聞こえてきます。「鳥のさえずり・風の音・遠くの車の音」など。
1分間経ったら、静かに目を開けて、「どんな音が聞こえましたか?」と静かに話し合います。
こうして生まれた静けさは、教師や親に言われて静かにさせられたのではなく、子どもが自らの意志によって獲得された「静けさ」なのです。
「真の自由を手に入れるためには、まず自分自身を征服する者にならなければならない」と、モンテッソーリは考えました。
是非、ご家庭でもテレビを消してやってみましょう。注意点は「まじめにやる」ことです。大人がいつもと違う静粛な態度で臨むことが一番のポイントです。