「豊かな味覚」が「生きる力」に…家庭での食育
【味覚】
新生児は高齢者の2~3倍の味蕾(みらい)を持っているといわれます。この豊かな味蕾を発達させ、5つの味覚(甘み、酸味、塩味、苦み、うま味)を育てるのがこの時期です。
食育は子どもの栄養をはかり、食べることの幸福感をもたらすだけではありません。食するものの危険を察知するためでもあります。すっぱいものは腐っている可能性があり、苦いものは有害な物質である可能性があるからです。
味覚は園での生活よりも、ご家庭での食育のほうが大切です。毎日の食事の中でこのミカンはすっぱいね~」「このクッキーは甘いね~」というような楽しい会話が豊かな味覚を育てます。様々な食べ物を通して、異なる味覚を体験させてあげましょう。
好き嫌いが激しかったり、同じものしか口にしない子どももいます。親からすれば心配かもしれませんが、栄養バランスが極端に崩れなければ、無理に食べさせる必要はありません。食べることの楽しさを優先すべきです。人生は始まったばかりです。この先、口にする機会はいくらでもありますので。
子どもの嗅覚は敏感…「素敵な香りの柔軟剤」に要注意
【嗅覚】
嗅覚も味覚同様、身の危険を察知するためにも大切な感覚です。大人が様々な実物を手に取り、香りを楽しむ姿を見せてあげましょう。自分で鼻の前に持って行き、匂いを確認する習慣はとても大切です。庭にある花や、ハーブなどの香りを楽しみましょう。
最近は洗たく時に柔軟剤を使うご家庭が多くなりました。素敵な香りは、大人には心地良いかもしれませんが、子どもの嗅覚には刺激が強すぎます。無香料か、使う場合は量に注意しましょう。
いずれの感覚の活動も、ご両親が楽しそうに、お手本を見せることが大切です。感覚がそれぞれ発達することで、子どもの将来はより豊かなものへと変わっていきます。
親が「わが子は感覚の敏感期にあって、今は、嗅覚を使っているのだな」と、意識できることが大切です。そして、その感覚を適切な言葉で表現し、定着させていくことがホームメイド・モンテッソーリにつながります。
<ポイント>
●感覚は三段階で身につける
●わが子が今、どの感覚を使っているのか、親が気づいていることが大切
●嗅覚・味覚はご家庭の働きかけが一番大切
藤崎 達宏
サロン・ド・バンビーノ 代表
日本モンテッソーリ教育研究所認定教師(0~3歳)
国際モンテッソーリ教育協会認定教師(3~6歳)
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