感覚を言葉で表現できる子に…「触覚」を刺激する方法
【触覚】
赤ちゃんが1歳になるくらいまでは、何でも口に入れて困ったものです。なぜならば、その時期は口の中の感覚が一番敏感だったからなのです。
しかし、3歳に近づくと、何でも口に入れる子どもはいなくなります。なぜならば、「視覚」と手の「触覚」が発達してくるからです。この時期からは、様々なものを手で触らせて、その感覚を言葉で表現するお手伝いをしましょう。
■「触覚さがし」(3歳から)
感覚の敏感期にある子どもを観察していると、いろいろなものを自分の手で何回もなでて、その感触を確認することがよくあります。
この時にタイミング良く、「ザラザラだね~」「スベスベだね~」と言葉をかけます。最初はキョトンとしていても、「じゃあ、ザラザラを探しに行こう!」と、声をかけて部屋の中を探検します。
ザラザラしているものを見つけたら、一緒に手でなでて、「ザラザラだね~」と楽しみます。何種類か触ると、「ザラザラ」という言葉と体感が一致するようになります。
日常生活で、何でも触ってしまうのは「触覚の敏感期」にあるからなのです。お店の品物であったり、危険なものでない限りは、十分に触らせてあげましょう。
「コンビニ袋」や「きんちゃく袋」を使って触覚を刺激
■重い・軽いゲーム(3歳から)
触覚の一つに、「重い・軽い」があります。
同じ大きさのコンビニ袋(中身が見えないもの)に、違う重さのものを入れます。そして、交互に持たせて、「重いね~」「軽いね~」と言葉を入れます。
言葉が定着してきたら「どっちが重い?」と聞いてみます。さらに、袋の個数を増やして「一番重い袋をください」などのゲームをしても、楽しいですよ!
■「秘密袋」(3歳から)
これも、モンテッソーリ園で大人気のお仕事なので、手作りされると良いでしょう。同じきんちゃく袋を2個用意します。その中に、子どもが興味を持ちそうで、触っても安全なものを、それぞれの袋に入れておきます。10種類以下が望ましい。
①子どもに袋の中から好きなものを1個取り出させ、テーブルの上に置きます。この時に袋の中身を見ないで、触覚を使って探し出すことがポイントです。
②「じゃあママが、同じものを出すね」と言って、袋に手を突っ込み、手の感触だけで同じものを出します。「ほら、同じ~!」と言って並べます。
③「今度は、ママが先に出すよ」、そう言って、次の1個を出してテーブルに置きます。
④「同じの、中を見ないで、探せるかなぁ?」と交互に続けていきます。
この活動は中を見ないで同じものを探すことがポイントです。視覚を遮ることで、触覚に集中させるためです。
モンテッソーリ園では、こうした感覚のお仕事をする時に「目隠し」を使います。目隠しをすることで、情報量が一番多い「視覚」をさえぎります。そうすることで、視覚以外の感覚を際立たせることが目的です。これを、モンテッソーリ教育では「感覚の孤立化」と言います。