正解は、③鉄道業のB/Sでした。
これは鉄道業を主たる事業としている、JR東日本のB/Sです。鉄道業の運営に必須のものといえば、なんでしょうか? そう、車両や線路ですね。
車両や線路などは、JR東日本の固定資産です。だから、必然的にこのように固定資産がかなり大きくなるのですね。とても特徴的です。
「貸借対照表」という文字面だけ見ていると難しそうだと敬遠してしまうB/Sですが、ふたを開けてみれば意外と大したことのない、簡単な表だと思っていただけたのではないでしょうか。
単に企業にどんな資産があって、その資産をどうやって入手したのかを表しているだけだと思えば、とても理解しやすい表です。
〈貸借対照表のまとめ〉
①B/Sは、資産・負債・純資産の3つから構成される。
②資産は将来、企業に資金をもたらす項目が記載される。
③負債は将来、企業が返済を行う必要のある債務等の項目が記載される。
④純資産は返済が不要なお金や、過去の利益累計額が記載される。
⑤資産側は、企業の財産がどのように運用されているのか、負債・純資産側は、財産をどのような手段で調達してきたのかということを表す。
⑥資産と負債は資金回収・資金返済の期間によって、流動と固定に分けられる。
ここまでで貸借対照表の基本は終わりです。次回は、実際の企業の貸借対照表を元にした会計クイズを解きながら、それぞれのビジネスモデルを読み解いていきましょう。
(※本記事に掲載の情報は特段の注や付記がある場合を除き、2019年12月書籍執筆時点での各社決算書情報を参照しています。)
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