離婚時、慰謝料とともにトラブルに発展しやすい「子どもの親権」問題。今回は実例を基に、離婚時一度届け出た親権者を、あとから変更できるのか解説します。

 

カ.夫と妻は,平成25年×月×日,夫の両親及び兄,妻の両親及び妹に加え,男性チーフも交えて話し合いをし,当初,妻以外の全員が未成年者らの親権者を妻とすることに反対したが,妻はあくまで未成年者らの親権者となることを主張した。そこで,夫の母親は,妻に対し,妻の住居や昼の仕事が決まり,生活が安定するまで未成年者らを監護すると申し出,妻はこれを承諾し,その上で未成年者らの親権者を妻とすることで合意した。

 

夫と妻は,同日市役所に赴き,未成年者らの親権者をいずれも妻とする離婚届を提出し,同日,離婚した。

 

キ.妻は,平成25年×月×日,未成年者らを夫の両親に預け,福岡県○市内のアパートを借りて,夫の肩書き住所地にある自宅を出た。

 

(2)離婚後の経緯

ア.妻は,平成25年×月及び×月に,未成年者らと面会した。

 

イ.夫の父親は,平成26年×月,妻に対して電話で未成年者らが妻に会うと情緒不安定になるから会わせることはできないと告げた。

 

ウ.夫は,平成26年×月×日,本件親権者変更の調停を申し立てた。妻は,この調停において,夫に対し,未成年者らとの面会交流を求め,同年×月×日と同年×月,面会交流が実施された。

 

エ.夫は,平成26年×月,妻を被告として福岡地方裁判所久留米支部に対して,前記(1)ウの不貞行為が不法行為に当たるとして,損害賠償金165万円及び遅延損害金を請求する訴訟を提起した(同裁判所平成26年(ワ)第XXX号慰謝料請求事件)。

 

(3)未成年者らの監護状況

ア.未成年者らは,平成25年×月,いずれも△幼稚園に通い始め,妻が幼稚園への送迎を行っていたが,同年×月×日以降,夫の両親の自宅で同人らに監護養育されており,その状況に特に問題はない。夫は,できるだけ両親の自宅で過ごすようにして,未成年者らの世話をしている。未成年者Cの欠席日数は同年×月が4日,×月が5日,×月が7日,×月が2日,×月が1日,×月が3日,×月が7日,×月が0日である。

 

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