離婚時、慰謝料とともにトラブルに発展しやすい「子どもの親権」問題。今回は実例を基に、離婚時一度届け出た親権者を、あとから変更できるのか解説します。

 

イ.△幼稚園では,2か月に1回当該期間中に誕生日を迎える園児の誕生会が開催され,同会には園児のほか保護者も参加することになっていた。平成25年×・×月の誕生会が企画され,未成年者Dもその対象であったが,親権者である妻は仕事の都合を理由に欠席したためDの誕生会は実施できず,その後も幼稚園の求めにもかかわらず欠席し,結局×・×月の誕生会に夫及び夫の父親が出席し,未成年者Dの誕生を祝った。

 

また,△幼稚園では,平成25年×月×日に園児らの普段の様子について担任の先生が保護者に報告をするクラス懇談会が企画され,同園は親権者である妻に参加を求める電話をしたが,電話に出ることはなく,結局,夫が上記懇談会に出席した。

 

ウ.未成年者らの保育料は夫が支払っていたが,平成25年×月からは妻が支払うこととなった。しかし,妻からは実際に支払われず,引き続き夫が支払っている。

 

(4)夫及び妻の生活状況

ア.夫は,実家で両親,兄と共に生活し,□株式会社に勤務し,月額23万円程度の収入を得ている。

 

イ.妻は,平成26年×月,●株式会社の面接を受け,同年×月×日付けで同社に就職し,前記○市内のアパートから妻の肩書き住所地にあるアパートに転居した。しかし,妻は,同年×月頃,同社を休職し,同年×月ころ退社した。もっとも,収入がないため,これまでの貯蓄を取り崩して生活費に充て,未成年者らのために支給されている児童手当や児童扶養手当も自己の生活費に充てることがあった。

 

ウ.妻は,求職活動の結果,▲市内の不動産会社である株式会社■への就職が決まり,平成27年×月×日から勤務することが予定されている。給料は,試用期間の3か月は手取り12万円,試用期間後は手取り15万円であることが予定されている。

 

また,妻は,未成年者らを引き取った場合,現在居住するアパートで一緒に暮らすつもりであり,このアパートには未成年者らが生活できるだけの居住空間が確保されている。そして,妻は,未成年者らを福岡県▽市内の▼保育園に預け,将来的には▲市内に転居することを考えている。もっとも,妻には妻の両親等の援助が見込めず,他に妻を援助する監護補助者が見当たらない。

 

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