DNA鑑定で父子関係全否定も、法律上は「永遠に親子」の衝撃

妻の不倫発覚時、「子どもが本当に自分の子どもなのか」気になる男性は少なくありません。もし父子関係が否定された場合、子どもと親子関係を切ることは可能なのでしょうか。

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妻の不倫発覚で、我が子に「DNA鑑定」してみた結果…

Q.妻と結婚し、その後子どもが産まれました。

 

しかし、子どもが10歳になったころ、妻が長年不倫していたことが発覚し、離婚することになりました。妻は私と結婚した直後くらいから、他の男性と関係を持っていたようなので、子どもが本当に私の子どもなのかDNA鑑定をしたところ、父子関係はないという結果が出ました。

 

色々と考えるところはありますが、子どもとの親子関係は切りたいと考えています。どうすれば良いでしょうか。

 

子どもに罪はないけれど…(画像はイメージです/PIXTA)
子どもに罪はないけれど…(画像はイメージです/PIXTA)

 

A.嫡出否認の訴えや親子関係不存在確認の訴えを起こす必要がある、というのが従来の考え方でしたが、平成26年7月17日の最高裁判所の判例により、DNA鑑定の結果如何によっても、訴えが認められないとの判断が示されました。

 

親子関係というものは、基本的には生物学上の関係を前提とするものですので、DNA鑑定によって父子関係が存在しないことが科学的に判明した場合には、父子関係は存在しないことになります。

 

しかし、そのままにしておいても、法律上(戸籍上)は、父子関係はそのまま存在することになりますので、これを削除するためには別途法的手続が必要になります。

 

その手続は、大別すると

 

①嫡出否認の訴え

②親子関係不存在確認訴訟

 

の2つです。

「子の出生を知った時から1年」以内かがポイントに

夫婦が婚姻した後に産まれた子どもは夫の子として推定され、原則として父子関係が発生します(もっと正確に言うと、婚姻後200日後に産まれた子、または離婚後300日以内に産まれた子が夫の子として推定されます。)。

 

このような子に対して、父親が

 

「この子とは父子関係はない。」

 

と主張して法的手続をするためには、①嫡出否認の訴えというものを裁判所に提起する必要があります。しかし、この嫡出否認の訴えというものは、訴えを起こせる期間が制限されており

 

「子の出生を知った時から1年」

 

とされています。このような訴えを無制限に認めてしまうと、子どもの身分が不安定に晒される期間が長期間になるおそれがあるからです。

 

したがって、結婚して、子どもが産まれてから数年後にDNA鑑定などで父子関係がないことがわかったとしても、上記の1年間という期間を経過してしまっているため、原則として嫡出否認の訴えを起こすことができません。

 

ちなみに、②の親子関係不存在確認の訴えというものは、上記のような嫡出子として推定される子(婚姻後200日後に産まれた子、または離婚後300日以内に産まれた子)との父子関係を否定するためには使えません。

 

②の親子関係不存在確認の訴えというものは、妻が夫の子を懐胎することが不可能な事情が客観的に明白な場合(長期別居中に産まれた子だったり、夫が刑務所にいる間に産まれた子といった場合)にのみ可能です。

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こすぎ法律事務所 弁護士

慶應義塾大学大学院法務研究科卒業。神奈川県弁護士会に弁護士登録後、主に不動産・建築業の顧問業務を中心とする弁護士法人に所属し、2010年4月1日、川崎市武蔵小杉駅にこすぎ法律事務所を開設。

現在は、不動産取引に関わる紛争解決(借地、賃貸管理、建築トラブル)、不動産が関係する相続問題、個人・法人の倒産処理等に注力している。

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