元妻には子どもを任せられない…親権者の変更、可能ですか?

離婚時、慰謝料とともにトラブルに発展しやすい「子どもの親権」問題。今回は実例を基に、離婚時一度届け出た親権者を、あとから変更できるのか解説します。

NEW【最新セミナー】“医師専門”の資産形成コンサルによる
30代勤務医だけのための投資セミナー〜不動産投資〜

オンラインで配信します。詳細はこちら↑スマートウォッチがもらえます。

離婚時一度妻に親権を渡したが、後から変更できる?

Q.妻が夜の飲食の仕事を始めてから朝帰りを繰り返し、挙句そこのスタッフと不倫し、さらに妊娠したことも発覚したので離婚することとなりました。

 

妻は夜の仕事で夜は不在にしていて、子どもの育児は私が主にしていましたので、私が子どもを引き取りたかったのですが、妻からの強い要望で譲歩し、離婚時に子どもの親権者は妻として届けました。

 

しかし、婚姻時から妻の生活状況や育児能力には問題があり、離婚後の妻の生活状況を見ても特に改善されずまともに子どもの育児ができる状態ではありません。ですので、親権者を父側に変更したいと考えています。どうすればよいでしょうか。

 

親権者の変更は可能なのか…(画像はイメージです/PIXTA)
親権者の変更は可能なのか…(画像はイメージです/PIXTA)

 

A.まずは、家庭裁判所に親権者変更の申立の調停(または審判)を申立て、裁判所で協議をし、または裁判所に変更の決定をしてもらう必要があります。調停というのは、簡単にいえば裁判所での話し合いです。この調停で、親権者の変更について父母間で同意ができればそこで決着できます。

 

しかし、このような親権者の変更については、父母間の対立が大きい場合も多いため調停で決着できず、審判という手続、すなわち裁判所によって決定をしてもらうという手続まで進むことが多いです。

 

となると、親権者の変更を求める側としては、裁判所が親権者の変更を認める場合には、どのような基準で判断しているのか、ということがとても気になるところではないでしょうか。

「子の利益のため必要がある」場合変更が認められる

この点について、まず、法律の規定を見てみますと、民法819条6項は

 

「子の利益のため必要があると認めるときは,家庭裁判所は,子の親族の請求によって,親権者を他の一方に変更することができる。」

 

と規定しています。つまり「子の利益のため必要がある」と認められれば、変更が認められることとなりますが、当然これだけではよくわかりませんね。そこで、実際の裁判例の傾向をみてみますと、変更するかどうかの判断基準としては

 

・監護体勢の優劣

・父母の監護意思

・監護の継続性

・子の意思

・子の年齢

・申立ての動機,目的等

 

が挙げられています(最高裁事務総局編・改訂家事執務資料集中巻の2・356頁以下)。これに加えて、

 

・母親優先の原則

・監護の継続性(現状尊重)の原則

・兄弟姉妹不分離の原則

 

等も考慮されているようです。これらの要素は、離婚時に親権者を決める際の基準としても重視されている要素です。したがって、離婚後の母側の育児・監護状況に問題があれば、親権者の変更は認められそうにも思われます。

 

こすぎ法律事務所 弁護士

慶應義塾大学大学院法務研究科卒業。神奈川県弁護士会に弁護士登録後、主に不動産・建築業の顧問業務を中心とする弁護士法人に所属し、2010年4月1日、川崎市武蔵小杉駅にこすぎ法律事務所を開設。

現在は、不動産取引に関わる紛争解決(借地、賃貸管理、建築トラブル)、不動産が関係する相続問題、個人・法人の倒産処理等に注力している。

毎月1回、大家さん向けの役に立つ裁判例のメールマガジン発行(メールマガジンご希望の方は、こちらの問合せフォームにて「メールマガジン登録希望」と書いてお申し込みください)。

北村氏が運営するメディア、 川崎・武蔵小杉の相続・離婚法律相談 はこちら!

著者紹介

連載事例で見る「相続・離婚トラブル」の解決法

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧