大学がある駅に収益物件がリスクだらけなワケ
不動産投資で気をつけなければいけないことは、投資対象である物件の収益性と資産性の両方を見極めることです。物件の収益性と資産性の両方を見て、投下した資本が減らないような物件を購入しなければ意味がないのです。それが理解できれば、不動産会社に騙されて純資産を減らすということもありません。
さらに、純資産を増やす上で重要なことが、お金の時間価値です。お金の時間価値とは、すなわち、明日もらうお金よりも、今日もらうお金の方が価値が高いということです。つまり、利益はなるべく短期間で確定すること。不動産業者の口車に乗って、銀行融資の最大期間である30年や40年といった長期的な期間で投資をすべきではないということでした。
こうしたことを踏まえて、具体的にどのような物件を購入すればいいのか詳しく見ていきたいと思います。
最も大きなポイントは「“売る時”に物件価格が下がらないものを適切な価格で、適切なローンで買う」ということです。
結論からいうと、「東京経済圏にある、都内へ電車で60分ほどでアクセスできる築20年以上のアパートを購入する」ということです。
なぜ、そのような物件は価格が下がらないのでしょうか? 具体的に説明していきましょう。
価格が下がらない物件とはどのような物件なのか。投資対象である収益物件は、2つの要素で価格が動きます。一つは物件の「収益性(実質利回り=収益率)」です。もう一つは、物件そのものの「資産性」です。この2つの要素によって物件が下がる理由は、大きく分けて次の5つの理由があります。
(1)家賃収入が低下する
収益物件の場合、家賃収入が低下すれば、収益物件の評価額にも影響があります。収益物件相場は収益率で成り立っているので、収益率のもとになっている家賃収入が下落すれば、物件の価格も下がることになります。
例えば、次のようなケースです。
年間賃料が500万円で相場利回りが10%の場合、
年間賃料500万円÷相場利回り10%=物件価格5000万円
となります。
ところが、家賃収入が減り、年間の賃料が400万円で100万円減ってしまったとしましょう。相場利回りがそのまま10%で変わらない場合は次のようになります。
年間賃料400万円÷相場利回り10%=物件価格4000万円
家賃が年間で100万円減っただけでも、相場利回りが変わらなければ、物件の価格は1000万円も減ることになります。
家賃収入が低下するケースで全般的に多いのは、大学がある駅に収益物件を持つケースです。入居需要がほとんど学生に依存しているため、大学の事情で入居状態が大きく変化します。物件が駅から遠いとか近いとかは関係ありません。
万が一キャンパスが移転してしまったら、駅から近くても賃貸需要が見込めない物件になります。また、最近では大学自身で寮などを建築してしまう事例もあります。大学そのものが移転するわけではありませんが、大学寮などの住居施設ができると、学生は経済的な理由などで大学寮を選ぶ確率が高くなります。そうすると入居需要が減り、その結果、空室が続いて家賃収入が減り、収益率にも大きく影響していくというわけです。
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