「モテコンサル」という仕事が応えたニーズが…
■売れている本質は何かに目を向ける
成功例を参考にする際には、事業がうまくいっている本質的な要因に目を向けるようにしましょう。本質的な要因とは、トレンドに乗って成功している部分ではなく、市場の普遍的なニーズをつかんでいる部分です。
例えば、僕が支援しているフリーランスの人の中に、婚活者向けのアドバイスを提供している人がいます。通称、「モテコンサル」という仕事です。
この仕事がうまくいっている背景には、晩婚化というトレンドが背景にあります。ただ、それは表面的な要因です。この事業がうまくいっている本質的な要因は、結婚したい、恋愛したい、モテたいといった普遍的なニーズが世の中にあるからだと思います。
楽しく恋愛したい、幸せな結婚をしたいと思う人は常にいます。そのような気持ちに応えられる仕事は、景気や時代背景を問わず求められますし、一時的なトレンドに流されることもなく、長く続けやすい仕事です。
市場の普遍的なニーズには、衣食住や、恋愛、結婚、仕事、子育て、家計、健康に関するものなども挙げられますから、そのあたりから事業のヒントを得るとよいかもしれません。
過去回で述べたゲームの動画配信をしている人についても、表面的にはニコニコ動画やYouTubeが流行っていることが成功要因に見えます。しかし、本質的な要因は別のところにあります。人は楽しそうにしている人を見ると「混ぜてほしい」「仲間に入れてほしい」と思うものです。
価値観が多様化しているからこそ、自分と好みが似ている人や共通の趣味を持つ人とつながりをつくりたいという思いも強くなります。そのような気持ちをつなぐ手段の一つが、ゲームなのです。
その人は動画配信だけでなく、動画を観る会員を対象にしてイベントなども開いてコミュニティをつくっています。ゲームの動画配信は単なる動画配信という枠を超えて、価値観が近い人たちが集まれるプラットフォームとして機能しています。
僕が手がけるコーチングも「仕事」という普遍的なテーマに関わるジャンルで、会社員からフリーランスになりたい、愛されフリーランスとして自由に働きたいという人から評価してもらっています。評価が得られているのは、収入が増える、事業が安定するといった効果の面もありますが、メルマガ登録者やセミナーに通ってくれる人の「自分らしく働きたい」「自由になりたい」という気持ちに応えていることが本質にあるからだと思います。
本質をとらえている仕事は景気の変動に影響されにくいものです。そして、長続きすることによって実績が蓄積され、根強いニーズがある場所でさらに新たな価値を生み出す力がつくため、さらに稼ぎやすくなります。