ライザップはなぜ評価されたのか?
■売れている手法を取り入れる
本質が見えたら、次に売れるための手法に目を向けてみましょう。本質をとらえている事業は、需要が安定しています。そのうえで成功例の手法を取り入れることにより、収益を効率よく増やせるようになります。
例えば、スポーツジムは昔からありましたが、その中でも急激に頭角を現したのがライザップです。
スポーツジムには「健康になりたい」「運動不足をどうにかしたい」といった普遍的なニーズに応えられるという特徴があります。これが事業の本質の部分です。では、ライザップがほかのスポーツジムよりも高く評価されたのはなぜなのでしょうか。
それは、マンツーマン指導を取り入れたからです。これが手法であり、この手法を編み出したことによって「手厚く支援してもらわないと続かない」という課題に応えたわけです。
ライザップを参考にして事業モデルを考えていくなら、自分がやりたい事業にもマンツーマンで支援する方法を取り入れることができるかもしれません。マンツーマン支援に必要なコミュニケーション力、指導力、粘り強さなどが自分の能力として蓄積されていれば、それが自分の仕事の強みになり、競合との差別化にもつながるでしょう。
モテコンサルを例にすると、婚活でモテるためのテクニックなどは、従来は雑誌などマスメディアを参考にしたり、結婚相談所などのセミナーなどに通ったりして習得するのが一般的でした。
しかし、結婚や恋愛は個々の性格、好み、条件、家庭環境などが大きく影響しますので、一対複数の方法で学ぶ普遍的なノウハウではどうしても限界があります。そもそも自分にどんな魅力があり、その魅力が婚活市場でどのように評価されるのかを知るためには、よりパーソナルな支援が必要となる。だから、モテコンサルというマンツーマン支援の事業に需要が集まるわけです。
僕が行っているコーチングも、最初はセミナーなどを通じて一対複数で支援していましたが、今はマンツーマン支援もしています。「もしかしたら一対複数では満足できていないのではないか」「細かな個別指導を求める人がいるのではないか」と考えて、既存のセミナーなどとは別にオーダーメイド型の支援もするようになったのです。一般的なコーチングのサービスは、セミナーなどで基本やノウハウを伝え、そのあとの成長はほぼ参加者に任せます。成長する人がいればつまずく人もいて、そこは参加者側の自己責任とする学校の授業のような仕組みです。僕はそこにマンツーマンの要素を取り入れました。
学校の授業型ではなく家庭教師のような仕組みを取り入れて、積極的にしつこく支援することにしたのです。その結果、ライザップに通っている人がしっかりダイエット効果を得られているように、僕のコーチングを受けている人たちにも成果が出るようになりました。その成果が口コミを生んで、事業として大きく成長していくことにつながったのです。特別難しいことをやったわけではありません。本質を押さえつつ、別の手法も取り込む。極めてシンプルな方法です。